茶の湯 徒然日記

茶の湯との出会いと軌跡、お稽古のこと

茶道具 - 釜 - 

2005-06-22 21:14:08 | 茶道具
 昨日、風炉と炉のお話をしたので今日はお釜のお話を。
釜は、水を入れ湯を沸かすための道具。炉・風炉いずれにも用いられるが、概して大ぶりのものは炉に、小ぶりのものは風炉に使用することが多い。

 種類は、作られた場所によって4つに大別される。
①天明釜(てんみょうがま):下野国(栃木県)佐野庄天命で作られた釜。丸釜系が多く、地紋は少なく、釜肌も打肌で豪荘味・閑寂味を特徴とする。どちらかというと静かな雰囲気のお釜。
②芦屋釜(あしやがま):筑前国(福岡県)山鹿庄葦屋津で作られた釜。大内政弘が室町時代に足利義政に献上した。形は真形(しんなり)、釻付は鬼面、肌は絹肌か鯰肌で滑らか。胴回りに装飾模様あり。どちらかというと華やかな雰囲気のお釜。
③京釜(きょうがま):室町末期から京都三条釜座で作られた。名越家、西村家、辻家、大西家、下間家などがある。
④関東釜(かんとうがま):関東方面で作られた釜。江戸名越家、江戸大西家、堀家、山城家などがある。

 釜の形の種類は以下の通り。いずれも見ると名称どおりの形だな、と思う。
阿弥陀堂釜、蒲団釜、四方釜、富士釜、瓢箪釜、平蜘蛛釜、車軸釜、四角四方釜、乙御前釜、尻張釜、肩衝筒釜、矢筈釜、筒釜、切子釜、真形釜、丸輪釜、六角釜、面取釜、雲龍釜、棗釜、尾上釜、十文字釜、唐犬釜、平釜、茄子釜、鶴首釜、甑口釜、茶飯釜、からげ釜、丸釜、切掛釜、鰐口釜、手取釜、兜釜、藁屋釜、広口釜、肩衝釜など。

 釜の口の造り方には、姥口、矢筈口、あんこう口、十王口、くり口、輪口、立口、甑口など、蓋の形の種類には、一文字蓋、盛蓋、掬蓋、恵明蓋、掛子蓋など、釻付もかたどった形により様々な種類がある。
 釜の形によってある程度、蓋や口造りの形は限定されるが、組み合わさって釜の種類は多岐に渡る。
 
 また、炉から風炉に切り替わる、暖かくなりつつある3-4月には、火が暑く感じられるので火を客に見せないように、釣釜(3月中旬頃、天井から釜をつるす)、透木釜(4月下旬頃、炉縁に透木と呼ばれる小さな木切れを置き、その上に平たく大ぶりの釜をのせる)といった釜のかけ方がある。客への配慮から生まれたかけ方だろうが、とても風情があり、この釜のかけ方になると、もうすぐ風炉の季節だなあと思う。
釣釜には、細めの筒釜、雲龍釜、肩衝釜など、透木釜には、平蜘蛛釜などが適している。
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