水指の蓋には二種類ある。共蓋と塗蓋。漢字の通り、共蓋は身と同じ蓋、塗蓋は水指に合わせて作った塗り物の蓋。何故塗りの蓋が生まれたのか。
天皇から頂いた青磁水指の蓋が、応仁の乱の混乱で割れてしまった為、足利将軍が塗りの蓋で代用したのが始まりで、景色がよいということでその後広まったのだという。
塗蓋の水指を必ず使わなければならない点前は、“行”以上の点前と和巾、かざり物(茶碗荘、茶入荘等)の時。そして、お約束としてモノ(茶巾や茶筅等)を乗せる場合は必ず乗せる前に袱紗で二引きして清める。
かざり物の時は何故塗蓋を使うのか。これは先生から聞いて目から鱗だった。
かざり物をする場合、床の間には掛物と花が飾られている。掛物の風袋の先の部分を“露”という。花には“露”が含まれている。点前で使う茶杓のかい先を“露”という。これで“三露”と呼ぶ。水指は水で濡らして使用するもの=共蓋には“露”が含まれている。茶道では奇数を好むので、水指にも“露”が含まれると四露になってしまう。それを避ける為に塗蓋を使うのだという。道具の部分の名称は一通り勉強したつもりだったが、掛物にも露があったことはすっかり忘れていた。
先日のお稽古は中置での茶入荘をした。たまにするとかざり方からして少し迷う。大切な由緒ある茶入を使う際の点前なので、当然ながら、問答で「ご由緒は?」と聞かれる。私たちのように若い者だとこれが難しい。「先生より茶名取得の折りに頂戴したものです」とか「大学卒業の折りに先輩から頂戴したものです」など練習として答えるが、実際のところは人に披露できるような立派な茶入を頂くにはまだまだ程遠い。
掛物は、“雨過野塘秋水深”(雨過ぎて野塘秋水深し)盛永宗興書。塘”は溜池、“野塘”は野にある溜池、“秋水”は秋の頃の澄み切った水を指す。
この言葉は中国の「碧巌録」にある詩「一曲両曲人の会する無し、雨過ぎて野塘秋水深し」、一曲そしてまた一曲、人々の理解を超えた深遠な音があたり一面に響き渡り、雨が通り過ぎて行った夜の溜池に水が湛えられているという風景で、真実の教えを理解できる人は少ないけれど、溜池に満たされた水を見るだけで無心の世界のあり方をみなければならないという意味だそう。
花は、藤袴、よめな菊、野紺菊、ホトトギス、下野の5種。茶花は籠に飾る際、最高7種まで入れることができるが、夏の時期はまだ大きな花が多い為、種類をそれほど入れず、秋が深まるに従って花も細かいものが増えていくので種類を増やしていくものだそうです。茶花は野に咲く花が多く、先生の床の間を見るたび、種類の多さに驚きます。覚えるのは大変。
天皇から頂いた青磁水指の蓋が、応仁の乱の混乱で割れてしまった為、足利将軍が塗りの蓋で代用したのが始まりで、景色がよいということでその後広まったのだという。
塗蓋の水指を必ず使わなければならない点前は、“行”以上の点前と和巾、かざり物(茶碗荘、茶入荘等)の時。そして、お約束としてモノ(茶巾や茶筅等)を乗せる場合は必ず乗せる前に袱紗で二引きして清める。
かざり物の時は何故塗蓋を使うのか。これは先生から聞いて目から鱗だった。
かざり物をする場合、床の間には掛物と花が飾られている。掛物の風袋の先の部分を“露”という。花には“露”が含まれている。点前で使う茶杓のかい先を“露”という。これで“三露”と呼ぶ。水指は水で濡らして使用するもの=共蓋には“露”が含まれている。茶道では奇数を好むので、水指にも“露”が含まれると四露になってしまう。それを避ける為に塗蓋を使うのだという。道具の部分の名称は一通り勉強したつもりだったが、掛物にも露があったことはすっかり忘れていた。
先日のお稽古は中置での茶入荘をした。たまにするとかざり方からして少し迷う。大切な由緒ある茶入を使う際の点前なので、当然ながら、問答で「ご由緒は?」と聞かれる。私たちのように若い者だとこれが難しい。「先生より茶名取得の折りに頂戴したものです」とか「大学卒業の折りに先輩から頂戴したものです」など練習として答えるが、実際のところは人に披露できるような立派な茶入を頂くにはまだまだ程遠い。
掛物は、“雨過野塘秋水深”(雨過ぎて野塘秋水深し)盛永宗興書。塘”は溜池、“野塘”は野にある溜池、“秋水”は秋の頃の澄み切った水を指す。
この言葉は中国の「碧巌録」にある詩「一曲両曲人の会する無し、雨過ぎて野塘秋水深し」、一曲そしてまた一曲、人々の理解を超えた深遠な音があたり一面に響き渡り、雨が通り過ぎて行った夜の溜池に水が湛えられているという風景で、真実の教えを理解できる人は少ないけれど、溜池に満たされた水を見るだけで無心の世界のあり方をみなければならないという意味だそう。
花は、藤袴、よめな菊、野紺菊、ホトトギス、下野の5種。茶花は籠に飾る際、最高7種まで入れることができるが、夏の時期はまだ大きな花が多い為、種類をそれほど入れず、秋が深まるに従って花も細かいものが増えていくので種類を増やしていくものだそうです。茶花は野に咲く花が多く、先生の床の間を見るたび、種類の多さに驚きます。覚えるのは大変。
お軸とお花が飾ってあるときは、塗蓋のお水指と
いうことでしょうか?
茶杓はいつも、つかうので、、、。
三露とは、風情がありますね。
しばらく、お稽古お休みのため、いろいろとお勉強させていただいております。
茶事の際、“かざり物”をすると、床の間に掛物・花、点前座に水指(塗蓋)とその上に茶巾、茶筅、茶杓が飾られた状態で後入りしますよね。
入った時、“三露”が同座していることになります。
一方“かざり物”でない場合は、床の間は同じですが、点前座には特に何も飾られず運びか棚になります。ということは(露を含む)茶杓は同座しない為、水指も塗蓋でなくてもいいのだと思います。
答えになっていますでしょうか。
「荘り物」で茶筌、茶巾を水指の蓋上に荘るのは「草之真行」から生まれたものです。席中の三露は掛け物、茶杓、花の露などで水指はこじつけの説明です。茶の世界では重ねることを嫌いますが、あえて三つ以上の重なりは亭主がそれなりの意味を含ませていることがあります。
塗蓋の使用は行の草から、かざり物は草の真行から始まったのですか、それを知る機会がないことが本当に残念です。
やはり究極的には真行草、行草の全てを理解しなければ、見えてこないのでしょうね。知る得る範囲で、先生に教えを請いながら精進したいと思います。
家元は十二段全てを、業躰先生は十段を受け継がれているのでしょうか。
十段が継承されていかないのは残念なことです。
私も知りたいと思いますが、現在それだけの力量には到底及びませんので、真の行、行の行のお稽古精進していきたいと思います。
講演の機会とは京都でしょうか。可能でしたら詳細ご連絡頂ければと思います。
塗蓋の始まりは、応仁・文明の乱のころ、火災で大切な道具を焼失した時、青磁雲竜水指の共蓋も破損紛失しました。それで青磁雲竜水指の蓋として塗蓋がつくられたことにより塗蓋が使用されるようになったと言われております。
講演は5月はじめの予定ですが2月には受付を始め、会場の関係から人数で締め切ります。場所は名古屋駅近くのホテルです。ご連絡はharatajp@yahoo.co.jpへ
塗蓋は、行之真、行之行、行之草、草之真、草之行の5つに使用されるということですね。
共蓋の二点前とは何にあたるでしょうか。
真之真、真之行、真之草は皆具を使用と思いますが。
塗蓋の始まりについて、ありがとうございます。先生もそのようにおっしゃっておいででした。
壊れたものを補って使う、塗蓋は偶然と知恵から生まれたのですね。
講演伺ってみたいのですが、名古屋ですか。
東京にいらっしゃる機会あればお声がけ頂けないでしょうか。東京であれば早い時期から確実に日程を空けること、可能と思います。
共蓋は「行之草、草之草」の2点前です。
講演は名古屋で5月はじめの予定です。
東京の人も名古屋へお見えになります。
東京での講演はご希望で、会場、準備の機会をつくっていただければ検討いたします。
講演については、現時点で都合がわかりませんので、近くなり、席があるようでしたらお願いしたいと思います。
お話を聞くにつけ、もっと自身のお稽古を精進してから伺った方がよいのかもしれないとも感じています。