季節は移り行き、釣釜は先月のお話になってしまいましたが、ちょっと季節を戻しまして。
釣釜を吊るために天井に仕組まれた「釜釣蛭釘(かまつりひるくぎ)」。
炉の真上、中心の天井に打ちます。
居前からみて吊り先が下座を向くよう乙の字なりに打ち込み、抜けないようにします。
天井裏には蛭釘を打つために1本太い柱が通してあると先生がおっしゃっていました。確かにこれだけ重い釜をかけるのですから、しっかり支える必要がありますね。
その蛭釘のことを考えていたら、茶室内には実は沢山の「釘」が仕組まれているんじゃないか、と今更ながら気づきました。
調べてみたら、こんなに。
床の間に掛物を掛けるための「軸釘」(じくくぎ、軸掛釘、掛物釘ともいう)
掛花入を掛けるために床柱に打つ「花釘」(はなくぎ)
掛花入を掛けるために床の壁の中央に打つ「中釘」(なかくぎ)
釣花入を吊るすために床の天井に打つ「花蛭釘」(はなひるくぎ)
釣花入を吊るすために落し掛けに打つ「落掛釘」(おとしがけくぎ)
結び柳を入れる青竹の花入を掛けるために床の入隅柱に打つ「柳釘」(やなぎくぎ)
下地窓などに朝顔などを入れる花入を設えるための「朝顔釘」(あさがおくぎ)
床脇や琵琶床などで、銅鑼や喚鐘を吊るすために天井に打つ「稲妻釘」(いなずまくぎ)
撞木を吊るすために柱に打つ「撞木釘」(しゅもくくぎ)
「軸釘」は、茶室のメインとなる軸を掛ける大事な釘。
「中釘」は、正面壁のほぼ中心に打つので中釘と言われ,茶事の場合、(初座では掛軸、)後座では中釘に花入れを掛けて飾ることになっています。床柱に打つ「花釘」よりやや低目の位置になります。(初座で掛けられる掛軸の裏を損じないように)抜き差し出来る無双釘というものを仕込みます。
床天井に打つ「花蛭釘」は、天井の奥行きの中心、1間以上の床の間の場合、間口の4分の1の下座、小間のように間口が狭い床の間の場合、間口の3分の1下座の床の天井部分に、釘の先を右に向けて「し」の字に打たれます。
吊るされる釣花入は出舟、入船としておめでたいお祝いの席に使われることが多いですが、私は花月の時と、桐蔭席にお招き頂いた時に拝見したことが印象に残っています。花と花入ればかり拝見していましたが、今度出会えたら吊るされる先の天井にも注目したいと思います。
「柳釘」、先生のお宅の初釜で床の間に柳が飾られていましたが、見落としました。来年はしっかり拝見したいと思います。
写真は、先日のお稽古で、床柱に打たれた「花釘」に掛けた掛花入。
花は”諸葛菜”(しょかつさい)。
ハナダイコンというと生活感が出てしまいますが、”諸葛菜”というとりりしい感じがします。三国時代、諸葛孔明が食材として栽培を広めたことに由来し、葉が大根に似ていることからハナダイコンともいわれるとか。
全部いっぺんに使われるわけではありませんが、床の間だけでも沢山の釘がありました。
また、水屋も様々な水屋道具を置くことから、沢山の「釘」が打たれています。
先生のお宅の水屋を思いうかべると、柄杓、茶筅、茶巾、布巾などを掛けるため「竹釘」があります。
水屋の大きさにもよるのでしょうが、数量の基本は、柄杓用3本、茶筅用3本、水漉、掻器用に2本、釜据、底洗い用に2本、水屋手ぬぐい、布巾用に2本、座掃用1本の合計13本が最低使用数となるそうです。
「釘」に注目して茶室を見るのも面白いものです。
釣釜を吊るために天井に仕組まれた「釜釣蛭釘(かまつりひるくぎ)」。
炉の真上、中心の天井に打ちます。
居前からみて吊り先が下座を向くよう乙の字なりに打ち込み、抜けないようにします。
天井裏には蛭釘を打つために1本太い柱が通してあると先生がおっしゃっていました。確かにこれだけ重い釜をかけるのですから、しっかり支える必要がありますね。
その蛭釘のことを考えていたら、茶室内には実は沢山の「釘」が仕組まれているんじゃないか、と今更ながら気づきました。
調べてみたら、こんなに。
床の間に掛物を掛けるための「軸釘」(じくくぎ、軸掛釘、掛物釘ともいう)
掛花入を掛けるために床柱に打つ「花釘」(はなくぎ)
掛花入を掛けるために床の壁の中央に打つ「中釘」(なかくぎ)
釣花入を吊るすために床の天井に打つ「花蛭釘」(はなひるくぎ)
釣花入を吊るすために落し掛けに打つ「落掛釘」(おとしがけくぎ)
結び柳を入れる青竹の花入を掛けるために床の入隅柱に打つ「柳釘」(やなぎくぎ)
下地窓などに朝顔などを入れる花入を設えるための「朝顔釘」(あさがおくぎ)
床脇や琵琶床などで、銅鑼や喚鐘を吊るすために天井に打つ「稲妻釘」(いなずまくぎ)
撞木を吊るすために柱に打つ「撞木釘」(しゅもくくぎ)
「軸釘」は、茶室のメインとなる軸を掛ける大事な釘。
「中釘」は、正面壁のほぼ中心に打つので中釘と言われ,茶事の場合、(初座では掛軸、)後座では中釘に花入れを掛けて飾ることになっています。床柱に打つ「花釘」よりやや低目の位置になります。(初座で掛けられる掛軸の裏を損じないように)抜き差し出来る無双釘というものを仕込みます。
床天井に打つ「花蛭釘」は、天井の奥行きの中心、1間以上の床の間の場合、間口の4分の1の下座、小間のように間口が狭い床の間の場合、間口の3分の1下座の床の天井部分に、釘の先を右に向けて「し」の字に打たれます。
吊るされる釣花入は出舟、入船としておめでたいお祝いの席に使われることが多いですが、私は花月の時と、桐蔭席にお招き頂いた時に拝見したことが印象に残っています。花と花入ればかり拝見していましたが、今度出会えたら吊るされる先の天井にも注目したいと思います。
「柳釘」、先生のお宅の初釜で床の間に柳が飾られていましたが、見落としました。来年はしっかり拝見したいと思います。
写真は、先日のお稽古で、床柱に打たれた「花釘」に掛けた掛花入。
花は”諸葛菜”(しょかつさい)。
ハナダイコンというと生活感が出てしまいますが、”諸葛菜”というとりりしい感じがします。三国時代、諸葛孔明が食材として栽培を広めたことに由来し、葉が大根に似ていることからハナダイコンともいわれるとか。
全部いっぺんに使われるわけではありませんが、床の間だけでも沢山の釘がありました。
また、水屋も様々な水屋道具を置くことから、沢山の「釘」が打たれています。
先生のお宅の水屋を思いうかべると、柄杓、茶筅、茶巾、布巾などを掛けるため「竹釘」があります。
水屋の大きさにもよるのでしょうが、数量の基本は、柄杓用3本、茶筅用3本、水漉、掻器用に2本、釜据、底洗い用に2本、水屋手ぬぐい、布巾用に2本、座掃用1本の合計13本が最低使用数となるそうです。
「釘」に注目して茶室を見るのも面白いものです。
師匠とのお話、こういう作業を一緒にして説明をして下さると勉強になりますね。釣釜準備、してみたい!
茶室をしつらえるって結構大変。
昔師匠が「この釣り釜を下げる釘は注意しないと、普通の大工さんにお願いすると、ねじ込むところを炉の真ん中に持ってくるから注意せないかんもんね」
釜が下がるのはこのU字のところが芯やけん」
と言われたことを思い出します
釣釜の準備を師匠と一緒にしていたころが懐かしいです