茶の湯 徒然日記

茶の湯との出会いと軌跡、お稽古のこと

神前結婚式

2007-11-21 12:43:03 | 結婚よもやま話
 最近は”和”ブームで、神前結婚式も増えているようです。私の場合も、神前で白無垢というのが夢でしたので、神前結婚式ができる場所をベースに式場探しに入りました。希望は神社で挙げることでしたが、東京界隈では神社で挙げ、そのまま披露宴というのが移動や場所なども併せて考えると難しかったので、私たちはホテル内の儀式殿での挙式となりました。京都だと、神社での挙式披露宴も色々あるようですね。
 
 神前結婚式の歴史は、古くは室町時代頃からといわれます。ただそれは、現在のような神社で行われるものではなく、各家庭の床の間のある座敷で、伊邪那岐と伊邪那美の神や天照大神、大国主命神などの掛け軸をかけて、お米やお酒、供物を供えて、その前でお酒を頂き夫婦の固めの盃を行うという形だったそうです。公家、大名、民衆と明治時代までこれが一般的な婚礼形態でした。
 現在のような神社での婚礼儀式となったのは、明治33年(1900)、後の大正天皇の婚儀が宮中賢所の神前で行われた慶事が最初で、それまでの各家庭の床の間のある座敷で行われた伝統的な婚礼の儀式であった三三九度も取り入れられて、定着していったものだそう。指輪の交換も以前はありませんでしたが、昭和30年代に指輪の交換の要望が高まり、今は式の中に取り入れられています。

 式次第は、神社によってそれぞれですが、一例として。途中、巫女の舞いのある神社もあります。
一、参進の儀     新郎新婦が神社本殿に入場。
二、修祓(しゅばつ) 挙式前に祓詞を唱え、参列者全員をお祓いし心身を清める。
三、献鐉       ご供物を捧げる。
四、祝詞奏上     斎主が祝詞奏上して、神の徳を称え、結婚と末永い幸せを祈る。
五、誓詞奉読     夫婦の誓いの言葉。
六、誓盃の儀     三三九度の盃をかわす。
七、玉串奉奠     新郎新婦が神様に榊の枝に紙垂のついた玉串を奉る。
八、指輪交換
九、親族盃の儀    両家が親族となった固めの盃を全員で頂く。
十、退下       神職、巫女、新郎新婦が退場。

 神前に向かって右側に新郎側、左側が新婦側が並びます。
正面神棚には、常盤木の榊が飾られ、陰陽五行に基づき万物を表す緑・黄・赤・白・紫の五色布が下がっていました。

 日本神話である古事記には、伊邪那岐、伊邪那美の二人の神が地上に降りられ、宮殿を建て、聖なる柱を廻り巡って結婚の儀を行われ、そこから日本の国土や山川草木をお生みになったと伝えられています。神前結婚する二人にはその二人の神と同じ使命があるとして、長い人生を助け合い社会に貢献することを神に誓うという意味を持っています。
 誓詞と三三九度を神聖な気持ちで行いました。三三九度は、松竹梅、大中小の3つの盃が三方に乗せられ、3つの盃で3回、新郎新婦交互にお酒を頂きました。三三九度は、1つの盃で1回だけ行うものと思っていたので、意外でした。3回で飲み干すことを、3つの盃で行うから9度になり、盃を重ねるにつれ二人の関係は強まり、一番目出度い”陽”の極みである”9”の数になるということでしょうか。

 式の翌日、神職から頂いた供物の数々を見ておりましたら、写真の絵馬がでてきました。伊邪那岐、伊邪那美の神が柱を巡り結婚の儀を行っている図柄でしょう。
お正月に二人で願い事を書いて、神社に奉納しようと思っています。日本人のルーツ、受け継がれて存在する自分の命を感じて、もう一度神聖な気持ちになりました。
 
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15 コメント

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おめでとうございます! (haruko)
2007-11-22 02:43:45
改めましておめでとうございます!神前結婚式での白無垢姿、またご主人さまの紋付姿、素敵だったでしょうね。いつかお写真拝見したいものです。
神前結婚式の由来など知りませんでしたので、勉強になりました。私たちも夫の希望で神前でした。指輪の交換って式次第例で見た時はビックリ(作ってないのでしていません)。東京界隈では神前結婚式~披露宴がしにくいとのこと、何だか意外です。
どうか末永くお幸せに!!!
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質問 (雪之丞)
2007-11-22 10:13:15
ご結婚おめでとうございます。
先程も芳名録の方にご挨拶させて頂きましたが、本当にいつもお勉強させて頂き、嬉しく思っています。
わたくし、まだ茶道を始めたうちにも入らないような初心者でございますが、一つどうしても質問がございまして、コメントさせて頂きました。
裏千家・平花月(七事式)の時の足運びが図解で説明されています本などはございますでしょうか?インターネットで捜しました本に足運びの図解が書いてあるかどうかが解らず、どの本を購入すれば良いか悩んでおります。私、海外におりまして本屋さんで確認出来ない状態です。もしお勧めの本がございましたらご紹介頂けますでしょうか?宜しくお願い致します。
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ありがとうございます! (m-tamago)
2007-11-22 19:31:59
harukoさん、ありがとうございます。
harukoさんと旦那様の披露宴の写真も素敵でしたね。京都だとさすが風情があるなぁと感じました。お二人もとてもお似合いでしたし。
神前式は旦那様のご希望でしたか。
私は神前を希望しながらも、指輪もちゃっかり頂き、そこだけは洋風でした(笑)
harukoさんご夫妻はこれからまさに新しい命を受け継いでいかれるのですね。お体お大切にお過ごし下さい。

東京界隈でも神社での式もあるのですが、披露宴会場が少し離れていたり、遠方からの方の宿泊施設がなかったり、私たちの希望にあう場所が見つからなかったのです。友人は根津神社で式をして、披露宴は移動してホテルでやっていました。
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質問 (m-tamago)
2007-11-22 19:41:35
雪之丞さん、ありがとうございます。

芳名録へのご挨拶、ご丁寧にありがとうございます。
平花月の時の足運びのことですが、淡交社出版の裏千家茶道教科15の七事式(上)をおもちでしょうか?具体的に説明と写真で載っていますので、まずはこちらを参考になさるのがよいと思います。他の七事式についても書かれているので役立つし、これならネットでも購入できるのではないかと思います。
あとは、何度もやって体で覚えていくしかないのが、七事式、、、、、当たる札によって、都度座る場所も動く場所も違うので、私もまだまだアレ?となること多くて困っています。
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ありがとうございました。 (雪之丞)
2007-11-23 01:05:06
大変助かりました。
同時に、お手数をお掛けいたしまして誠に申し訳ございません。
丁度昨日、ご紹介頂きました本をインターネットで見ておりました。
早速購入しようと思います。
本当に有難うございました。
これからも楽しみに拝読させて頂きます。

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よかったです (m-tamago)
2007-11-26 12:09:25
雪之丞さん、こんにちは。
ネットで同じ本を見ていらしたとのこと、よかったです。
今後ともよろしくお願い致します。
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神前 (酒徒善人)
2007-11-27 22:50:34
私は神前で結婚式を挙げました。
奈良にある橿原神宮でのことでした。
2月の寒い日で、神宮の杜や境内には
薄っすら雪が積もっていたのです。
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神前 (m-tamago)
2007-11-28 17:37:08
酒徒善人さん、こんにちは。
奈良の橿原神宮とは、由緒正しき霊験あらたかな感じがしますね。
2月、うちの両親もそうでしたが、寒そう~。
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国生みの神話 (山桜)
2007-11-30 12:04:40
 この国生みの神話は、先に女神であるイザナミノミコトが男神であるイザナギノミコトに声をかけたので、最初の子はヒルコとなって流れてしまったという件が、男尊女卑であるなどと言われ現代では不遇な扱いを受けてしまい残念です。 単純に男尊女卑などと片付けず、そこにどんな意味が隠されているか想像する楽しみさえ奪われて…。 私は古事記の大らかな世界が大好きですので、微力ながら子供らに語り継いでいきたいと思っています。

 m-tamagoさんご夫妻は、二柱の神様の御恵みでご縁が結ばれて、お幸せが約束されましたね^^ おめでとうございます。
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Unknown (タロウの母)
2007-12-01 11:25:23
お久しぶりです
私も神前でした
が 神主さんが式で拝み始めた途端激しく揺れ動き
なんだなんだ!?大丈夫か!?と
とてもびっくりしたことを非常によく覚えています
神主さんとしては当然の行動だったらしく
その後は極普通でしたけれど・笑
あとは鬘が重たいとか落ちそうだとか
全然神聖さに欠ける感想しか持ち合わせておりません
いやね~純情じゃないって…
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