『オーデュボンの祈り』 伊坂幸太郎
長いこと予約待ちをしてやっと手に入れた1冊です。
魔がさしたとしか言いようのないコンビニ強盗に失敗し
警察に連行される途中の事故で逃走…気を失い
気が付けば150年間も『鎖国』をしている荻島にいた伊藤。
島に欠けているものを探している日比野。
現代文明と島をつなぐ轟。
日比野の幼なじみで警察官の小山田。
嘘しか言わない画家、園山。
自転車で配達をする郵便局員、草薙。
体重300kgの『ウサギ』、島のルール『桜』
足が不自由な田中。
そして、未来を見通し、しゃべることができる『カカシ』
『カカシ』を中心に一見平和に暮らしている島民。
が、ある日、『カカシ』が殺害(!)されます。
未来を見通すことのできる『カカシ』がどうして
自分の殺害を防げなかったのか…
結末は『僕が見た夢でした』ではないことを祈りつつ読みました。
それぐらい不思議な島の物語でした。
伊坂ワールドの原点といえる作品ですが
(他の著作に『カカシ』やリョコウバトがよく登場します)
これに最初に出会っていたら、正直、他の作品は読んでいなかったかも…
ちょっと哲学書っぽいのかなぁ…示唆に富んているというか…
後々の伏線になって行っていることは確かなのですが…
私が普段読まないタイプの本であることは間違いありません。
未来は神様のレシピでできている、のだそうです。だから、この本との出会いが遅かったのは
神様のレシピなんでしょうね。
荻島に纏わる支倉常長に興味津々…慶長遣欧使節から
帰国後の晩年がはっきりしないのだそうで、お墓も3つ!
で、作者が考えたのは、舞台となる荻島で晩年を過ごしたというもの。
荻島は物語上の架空の島ですが、支倉常長探しの旅に出たくなりました。
喰いつくところが違うような気もしますが
満足度: と半分
知っておく意味でも読んだ方が
良さそうな気がしてきました。
次々映画化されている作品も
読み切れていないのですが
ゆっくり読みましょうかね
虚実入り乱れて、どこが現実だかわからなくなりかける…
そんな感じです。
しかし、どんどん映画化されますよね。
私もさっぱり追いつけませんが、独特の世界をのんびり楽しみたいと思います