熊本市街地には、路面電車が走っている。
路面電車がまんなかを走っている車道を、いったいどのように運転するのだか、
まったく自信がなかったので、私は車に乗るのが本当に好きであるのに、しばらく車に近づかなかった。(最近は乗れる)
その代わり、昔から電車に乗るのは苦手だったのに、路面電車にはよく乗る。
路面電車に乗るのはなんだか特別だ。路面電車に乗れる街は、そんなにはない。
家の中を家らしくするためのこまごましたものや、食材なんかを買いに、街へ。
でも週末、ぶらりと近所を歩いてみたら、電車に乗らなくてもその「街」までは歩いてすぐだったことがわかって、びっくりした。
市電(路面電車のこと)はお城(熊本城)のまわりをぐるりと取り囲むようにして走っているので、
裏道裏道で歩いていけば、お城の向こう側まで、直線距離ではとても近いのだった。
あまりに天気がいい日は、おそろしく陽射しが強いので、なかなかまだ歩いてどこかへいくには勇気がいる。
でも城下町をぶらりと散歩するのは、なんだかとても嬉しくて楽しくて、特別なかんじがする。
ちょっとこじゃれたオーガニックのお店があるなあ、と思って外から覗きながら歩いていたら、
家と家の間の路地の奥に、お店ののれんが掛かっていたりして、感動してしまう。
そこの角を曲がるとなにがあるのか、この地下道がどこに続いているのか、一歩一歩が迷路みたいで、
私は、知らない古い町並みの中をきょろきょろと歩きまわる。
町のほうはというと、揺るぎない歴史と伝統とひとのあたたかさをその懐に持っていて、
揺るぎない自信に満ちているように、私にはみえる。熊本は、熊本自身に、とても自信がある。
ところで、町の中で見かけた、きっとなにげない不動産屋さんの看板なんだけど、
これがなにを言っているのか私にはにわかには理解できない。
たぶん、「電話してくださいよ」 とか、そんなことだよね。 そのうちに、熊本弁が自由に喋れるようになりたかと。
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