犬とハナウタ

山歩きブログだった「山とハナウタ」改め「犬とハナウタ」として再スタート。雑種犬ゆめとの暮らしや日々のことなど。

【26】鞍岳(熊本県)

2013-11-10 | 九州の山歩き

【24】天山(佐賀県)と【25】高千穂峰(鹿児島県)が飛びましたが、

先に昨日登った阿蘇の鞍岳を書いちゃいます。

●鞍岳。阿蘇北外輪山の一角を占める山で、熊本県菊池市に位置する。

●四季の里旭志(きょくし)℡0968-37-3939の少し上にある、赤崩登山口から森林コースを登る。

●路肩に10台程の駐車スペースあり。

●パノラマコース登山道は、昨年の九州北部豪雨により崩壊、現在治山工事中で立入禁止になっている。

●森林コースを進むと、途中工事現場のところで、「女岳コース」と「らくらくコース」に別れる。

分岐を右に登った左手にあるのが「女岳コース」、分岐を左にすこし下れば「らくらくコース」。

●今回は「女岳コース」を行く。片道1時間30分。

では皆さんもご一緒に、山頂まで歩いていきましょう。歩き始めは植林の杉林。

ひとが森に入ると深呼吸したくなるのは、リフレッシュ効果が立証されているフィトンチッドが植物から発散されているから。

針葉樹林の場合、フィトンチッドの濃度は深夜から朝方にかけてが最も高く、昼間は濃度が低いが、

それでも鬱蒼と頭上に拡がる葉の屋根に守られてか、吸い込むとからだいっぱいに満ちていくのを感じる。

ちなみに、広葉樹林の場合は、昼間に濃度が高く、夜は低いことがわかっている。

そしてどちらの森でも、地面から40センチくらいのところが最も濃度が高いと言われている。

杉林を抜けると、落葉樹の紅葉と空のコントラスト。

(左下)ユズリハ。みんなにおひさまがあたるよう、互いに譲り合って葉を茂らせる。世の中こうでありたい。(右下)ヤマラッキョウ。

 

(下)アセビの群落。春には鈴なりに花をつけて綺麗なことだろう。花のない今の時期もくねくねと踊っているような姿はどこか幻想的だ。

 

ところでアセビは「馬酔木」と書く。馬も食べると酔っぱらったように足が麻痺するのでこう書かれる。

葉にアセボトキシンという有毒物質が含まれているせいだ。口にしないのが賢明。

左下はマユミの実。可愛い名前でしょ。背が足りなくて実がうまく撮れなかったけれど、赤くてグミみたいな可愛い実が入ってる。

メジロやムクドリが好んで餌にする。

私も背伸びして一粒とって食べてみた。最初だけは甘酸っぱいが、そのあとしばらく苦ーい味が舌に残る。美味しいとは言えない。

タネを食べてしまったかもしれない。実は食べられるが、タネは食べてはいけない。

少量でも、下痢・嘔吐、大量に摂取すると神経麻痺などをひきおこす恐れもある。やれやれ。右下の実はなんだっけ?

 

登山道には命がたくさん。冬が来る前のあと少しの時間。次の命へ繋ぐため、花を咲かせ、実を踊らせ、種を飛ばす。

カサカサになった殻の中にたくさん種子を抱えた草が多く生えていた。見つけてはストックでつついて、

種を落としてやった。すでに枯れた草の子供たちがきゃーきゃーと騒ぎながら土に散っていく声が聴こえる。

土の中で冬を耐え、次の春に芽を出す。

 

 

パリパリになった色とりどりの枯れ葉。そしていつしかふかふかと、土の養分に。次の世代のための糧になっていく。

 

その柔らかな土を足で踏みしめ進むうち、自分も死んだら、墓石の中なんかに入れないで、土に返して欲しいと願った。

「出来ることならば死体のままで」 と言ったら「それじゃ事件ですよ」と夫。うまくいかないもんだ。

しかたないから骨になってからでもいいや。とにかく自然の中に返してほしい。

私の骨や骨の粉くらいじゃ、ふりかけくらいにしかならないかもしれないけど、命のサイクルの中に私も入れてほしい。

さて、登山道は女岳~鞍岳にむけて急登が続く。ロープが吊られた岩場が出てくるとウキウキする。よじ登るぞー。

平たい石のケルンが出てくればあとひと登り。眺望もひらけてきた。でも最近、霞んでいる日が多いなあ。中国のPM2.5?残念。

  

(左下)急登を登りきり尾根に飛び出せば女岳(1090M)。ここから鞍岳までは10分くらいだ。

 

(下)鞍岳(1118.6M)登頂。

山頂の景色はいかがでしょうか。すこし霞んでいるけれど。

360度展望の山頂からは、空気が澄んでいれば、南外輪山から九州山地、東に阿蘇五岳、端部原野から九重、北は大分県境、

西に熊本平野、多良、雲仙、天草方面を望む。

清々しい山頂からの眺望はさることながら、山から教わることがらはいつも、山頂に着くまでの道すがらにある、と思うのでした。

 

 

 


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