トップ写真は、沖縄本島を旅行して1番最初に気になった花。
ガンガラーの谷の駐車場で見かけて、それ以外の場所でも、何本も見かけました。
11月末なのにこんな鮮やかで艶やかで、しかも葉っぱがないのに咲いている姿。
これは普段神奈川県で生きている私には物珍しいとしか言えません。
ところがネットで調べてもなかなか分かりませんでしたが、やっと「トックリキワタ」の花と分かりました。
確かに太い幹は、バオバブの木のような徳利みたいな樹形でした。
すると、バオバブと同じパンヤノキ属だそうです。
パンヤノキ?
パンヤって、あのパンヤ?
と気になり調べてみました。
パンヤはもう殆ど見かけませんが、私が10代だった30年くらい前なら、手芸店では普通に見かけました。
手芸本にもマスコットやクッション等の材料に「パンヤまたは綿」と書かれていました。
パンヤは、少し茶色の繊維で綿よりは低反発な感じというか綿とよく似ていてでもちょっと違う感じです。
化繊綿と比べると、色も薄汚れた印象で木くずが混ざっているような見た目でした。
最近では手芸店でもなかなか見かけることは無くなったモノの1つです。
さてトックリキワタ。
トックリは、樹形に由来するモノ。
キワタは、パンヤと同じく綿のような繊維質の実が取れるそうです。
そして驚くのは、沖縄にもたらされてまだ55年の植物ということです。
1964年、ボリビアを訪れた琉球政府の農業技術者が種子を持ち帰り、1970年に初めて開花。
そこから「南米ざくら」等の名称で各地に広がったそうです。
何がびっくりするって、街路樹とかそう言う場所ではなく山林の一部にも同じ花を見かけました。
たった50年くらいでこんなにも広がるの?と驚いたのです。
どう考えても外来種ですが、在来種の生態系には影響がないのか環境省の特定外来生物には指定されていませんでした。
11月半ばから1か月くらい開花期間があるそうです。
本州辺りなら熱帯植物園等で見られるそうですが、温室でないと見られないそうです。
この時期に街路樹や山林で見かけられたこと自体、現地で見られて良かったな、と思いました。