先日新聞の下の方に書かれている新刊紹介の広告を見ていたMIFさんが「これって、お前さんが好きなシリーズだろ?」と新刊が出ていることを教えてくれた。
お草さんシリーズ第4弾。
断捨離が進み、本は図書館で借りればいいと割り切る私だが、小説は3シリーズだけ文庫本で手元に置いている。
その1つがこのお草さんシリーズで、70代半ばのコーヒー豆と器のお店を営むお草さんの身の回りで起こるミステリーだ。
ミステリーと言っても、誰かが死んだりはしない。
お草さんの心の内が丁寧に描かれていて、本当に言い本なんだ。
以前、NHKでドラマ化されことがあって、本当にビックリした。
私はお草さんを演じるなら、富司純子さんがよく似合だろうと思っていたら、本当に富司さんが演じていたからだ。
単発ドラマだったが、ワンクールで丁寧に描いてくれてもよかったのになぁ、と思ったモノだ。
さて小説の中のお草さんは、たぶん昭和一桁生まれで、私の祖母くらいなので今年辺り90歳近い年齢だ。
だが、シリーズ第一弾は今から15年以上前が舞台なので、2000年頃の様子でお草さんは70代半ばのまま。
物語を読むと、お草さんが営む小蔵屋のお店に行きたくてたまらない。
舞台は、群馬県高崎市辺り。描写からすると高崎観音の近くで利根川の土手の近くだ。
今回は昔ながらの商店街を舞台にしている。
このシリーズでは、いつも家族が大切なキーワードだ。
私には子どもがいないので、子どもを持っている人の日々の暮らしや心の機微は察するしかない。
お草さんは、幼い子どもを相手方の家に残して離婚し、そのすぐ後に事故で子どもを亡くしてしまった。
兄と妹も早くに亡くし、両親も亡くし、天涯孤独の身なのだ。
70代で天涯孤独なのは今や当たり前、それほど珍しくはないのだろうが、私もいつかは天涯孤独になるのだろうか?と自覚させられた物語でもあった。
今回は、今までよりもお草さんの身の上を知っている人向けなのだろう。
これまでよりもお草さんのクセや死んだ子どもに思いを向けるシーンが少なくなっていたように思う。
「萩を揺らす雨」「その日まで」「名もなき花の」に続く本編では、とかくお草さんの謎に思いを寄せるシーンが印象的だった。
そして、この本を読んでいる間中、ずっとコーヒーが飲みたくなる。
私はお茶なら何でも好きなのだが、コーヒーはとくに大好きだ。
小蔵屋は、コーヒー豆を扱うが、和の器でコーヒーを試飲できるのも名シーンでもある。
だから、読んでいるだけでコーヒーが飲みたくなる。
私は和食器も好きなのだが、なにしろ重くて、手入れもそこそこかかるので、本当に頻繁に使うモノと小皿以外は断捨離した。
だがやはり和食器は好き。
でも今では眺めるだけでいいと割り切り、身の丈に合った生活をすることにした。
お草さんも、身の丈に合ったご商売をしている。
私も身の丈の暮らしを丁寧に重ねていきたいと思っている。
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makoto
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