この日の午前中で直売所は閉店。
今年最後の販売が終わって、55日間の直売所が終わりました。
私が手伝ったのは51日かな?基本的に早朝〜正午までのお手伝いなのですが、9時間ぶっ通しが10回くらい、9時間半の時もあったっけ…。
↑作業の一環のごみ捨て。
メイン農産物で販売できないモノは、畑の真ん中に穴を掘って埋めます。
この穴がだいたい1立米分。
この穴が8個あって、どこも満杯です。
これは穴を掘って捨てた分で、このほかに花粉用品種はカラスに弄ばれるて放置している分もあります。
花粉用は人間が食べるには渋くて酸っぱいので、収穫自体しません。
こういった果実をもったいない、と言って加工する農家もいらっしゃるようですが、私の実家では捨てます。
理由は、加工してもたいして美味しくならないから。
それこそ食品会社に無料で原材料として提供する方法もあるそうですけれど、実家では参加していません。
理由の1つに畑に穴を掘って埋めると、それが土に戻るので翌年の果実の味が良くなると言われているから。
なにも回収事業に参加してガソリン代をかけなくてもいいじゃあないか、という考え方です。
それとこの日は2年ほど前から私の顔を覚えてくださっているSさんがお見えになりました。
私はどなたにも同じ応対を心がけていますので、特別対応を求めるお客様にはかなりの塩対応です。
そんな私をいつもご指名でしてくださるSさん。
ダメなモノはダメ、無いものは無い、と言い切る私の姿を見ているはずなんですけれどねぇ…。
Sさんは沖縄ご出身で、私にも沖縄に住む従弟がいるんですよー、従弟の奥さんは沖縄の方なんですよー、なんてお話してのが気に入ってくださっているのかな?と。
今年の直売所の最終営業日にお会いできて本当に良かったです。
今年は7月から父が入院し、紆余曲折のなかの直売所の開店となりました。
結果、親族間の問題が随分さらけ出まして、実感として実家の落日を感じ取るこもができました。
数年内に実家は離農し、祖母と母が住まいも無くなります。
おそらくは高齢者施設か高齢者住宅に住むことになりそうです。
墓地も無くなりそうな勢いです。
一家離散とはこういうことなのか、と驚くとともに、これも仕方ないことか、と考えを改めることにしました。
悲壮感漂う表現をしていますが、一瞬とはいえ26年前に感じ取った私の違和感が現実になっただけのことです。
私は自分の直感を信じているタイプ。
違和感はやがて回避できない現実としてつきつけられる…だからこそ自分の直感を信じて、違和感を見逃さないようにしています。
あまり先読みしすぎて取越苦労になったとしても、想定していた最悪よりはマシだと思えば、頑張れることもあります。
想定していたよりも悪かったとしても、今後の先読み力に活かせばいいのだし。
来年、実家の果樹園が維持できていることを願いつつも、それは兄の健康状態次第なんだよねぇ、とどうにもできない要因があります。
兄は毎年直売所シーズンに痩せてしまいます。
今年はそれが顕著で、私から見るとガリガリじゃあないの、と驚くばかり。
少しでも喉越しがいいものを…と、毎日のようにゼリーや杏仁豆腐を作って冷蔵庫に入れて置きました。
ただ食が進まないのか、兄自身はあまり食べてくれなかったみたいです。
さて。
この日も父に会って来ました。
父がしきりに「落ちる、落ちちゃう」と言うのですが、ベッドから落ちるのではなく、フットレストにうまく足がフィットしてないだけでした。
だがしかし、もしかして貧血?とも思うンです。
父は輸液だけで生命維持をしていますから、どこまで微量元素が摂取できているのか、私にはよくわかりません。
父が「うどんが食べたい」と言いました。
父の症状では口から何かを食べることはできません。無念です。
それも今では叶わない願いです。
もうすぐ父が転院します。
次の病院は面会制限が厳しいので、もしかしたら二度と会えないかもしれません。
それは仕方がありません、病院の方針ですから。
私が想像していた親の介護とはあまりにも想定が違い過ぎました。
車椅子を押しながら一緒に公園を散歩できるような介護をしてみたかった…。
いろいろ思うところはあるものの、時間は巻き戻せないという現実をひしひしと感じ取っています。