祖父は冬になると自ら漬物を作った。
実家がある地域では、ぬか漬けは女仕事、たくわん漬けは男仕事、白菜漬けは協力仕事だった。
たくわん漬けは、大根干しも大変だが、甘味用付けに使う柿の皮を干すのも男がやる。
だから、干し柿も男が作る。
祖父はたくわん漬けが好きだったので、自分で工夫しながら作っていた。
手伝いに借り出されるのは、祖母で二人で文句をいいながらやっていた。
私はいつも干し柿用の皮むきに借り出された。
毎年、誰がこんなに干し柿食べるんだよ~!と泣き言を言いながら。
その祖父のたくわん漬けは手間がかかるから、祖父の死後は作らなくなってしまった。
時々無性にあの味を思い、食べたいと思うがもうかなわない。
あの味を最後に食べた10年前。
まさか最後になるとは思っていなかった。
祖父が亡くなって10年経っただなんてなんて時間が経つのが早いのだろうか。
天国で相変わらずくわえタバコで百姓仕事をしていそうだな…。
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