毎年春に大学時代の同窓会会報が届きます。
この会は、大学の同じ日本史を専攻した卒業生全員が会員。
卒業式に当年度卒業生に配布されるので、毎年春の発行です。
私が卒業した学校は戦前から存在していましたが、日本史が学べるようになったのは高度成長期からです。
今回の会報は、私の恩師のこと一色でした。
恩師についてはこのブログの昨年12月10日にその訃報を記事にしました。
毎回、会長挨拶が掲載されますが、会長は私の出身高校で教鞭をとられていた方。
続いて恩師の訃報記事、そして恩師の教え子(私の先輩)で現在大学で教鞭をとる方の恩師との思い出話などでした。
そうそう、S先生は瞬間沸騰湯沸かし器と言われていたし、デコピンもしていたし、おしゃべり好きだし、怒らせると国史大辞典(超分厚い辞典)が飛んでくる、との伝説持ちだったなぁ~、って。
そしてS先生は、タバコ臭プンプンさせて、むっさい感じの研究者なのに、データ整理は早くからIT導入に積極的で、まだWindows95さえも発売されていなかったMS-DOSの頃から導入していたのよねぇ。
当時、私の同級生の1人が父親の失職で学費の支払いが厳しくなったことがありました。
その彼が休学して生活費を稼いでから復学するつもりだ、とS先生に伝えたところ、どこをどうウルトラ技を使ったのか、S先生が奨学金(ただし1年分)を勝ち取って来たのです。
私の実家(当時は生活していた家庭)が農家だと知ると、どんな作付けでどういう販売形態なのか根ほり葉ほり尋ねられました。
S先生はミカン農家の子(母親は助産婦)だったので、農家の繁忙期で学校に来られなくなるンじゃあないか、と思いやってくれました。
学生の私生活にまであんなに立ち入るなんて、今ではちょっと考えられない感じです。
多くの学生にも慕わせていたS先生特集と言えるような会報を、しみじみと読み込みました。
改めてS先生のお人柄を思い出させてもらいました。