佐々木ミノル著。
タイトルの通り、中卒の学歴で工場労働者だった主人公が、通信制高校に通う話。
私は全日制出身だけど、学生時代の同級生に、定時制高校、通信制高校、単位制高校の出身者が各1人ずついた。
そしてその3人ともそこそこ仲良くしていたので、どういうシステムで同級生はどんな人で、どうやって受験して進学してきたのかをしっている。
作中の高校は、通信制高校でスクーリングが週1回くらいあって、4年で卒業という。
私の同級生のシステムとはちょっと違うんだな…。彼女は当時の大検のテスト結果も成績に加味されて、3年で卒業しているので。
そして著者の高校をモデルにしているといい、今から20年前のシステムをモデルにしているそうだ。
20年前って、まだそんなに通信制高校が多くなかったので、調べたら母校がばれてしまうような…そういうのは気にしないのかな?
さて、ストーリーは、中卒で工場で働いていた青年が、3年働いているのに中卒だからと周りから馬鹿にされる…と卑屈に感じていた。
そして3歳年下の妹(お勉強ができない)が高校受験に失敗して、通信制高校に入学するので自分も一緒に入学するというもの。
そこでいろいろな人と出会い、いろいろな経験を積んでいくのだ。
学生時代に出会った3人もそれぞれに、全日制以外の高校を選んで進学したわけだけれど、私には意外な出会いではあった。
私にとって学校は嫌なことがあっても、歯を食いしばって通わないとその先がない(進学ができない)と思っていた。
だから自分は頑張って通っていたのだ。
しかし、定時制、通信制、単位制とも、そんなに歯を食いしばって通わなくても、大学まで進学できるのだ…と思ってしまった。
ただし、全日制以外の上記の学校は、自分で決めることが多いのだ。自己管理ができないと、進級できないどころか、退学になることもある。
聞くところによると、定時制、通信制、単位制にはそれぞれいろいろな人が通ってくる。年齢も経歴もぜんぜん違う。
唯一同じなのは、中卒ということ。それだけだ。
私はたまたま学生時代の同級生にそういった学校の出身者がいたから、その制度を知ることができたけれど、一般的にはどうなんだろう…。
そういった学校についても、知っておくということは、大切なんじゃないだろうか?