本日は、玄麦について詳しく書かせて頂きます。
じつは「玄麦」とは、正式名称ではなく、当店が付けた当て字です。
正しくは「原麦」で、げんばくと呼ぶことから、丸竈では「玄麦」と表記しげんむぎと呼ばせて頂いております。
現在、小麦の国内生産でにおいて、収穫後の検査がとても厳しく、農家さんが手を出したくない、というのが現実のようです。
米の減反政策のために麦を作付しているということです。
なおかつ米のほうが価格も安定しています。
できれば、東北のものを使いたい、と思っていた私は、玄麦にこだわり、方々探しました。
そうして宮城県産「ゆきちから」と出会うことができました。
ところが国内産の小麦というのは、たんぱく質や水分量が一定していないという特徴があり、製麺する時の湿度や気温にもかなり影響を受けるため、扱いが大変難しいです。
そのため、毎日水分量や打ち方を変えるなどの工夫を行っていますが、パテシエや製パンの修行を積んだ私でも、その変化の難しさにはため息の出る日もあります。
また、玄麦は高温多湿を嫌うため、保存が難しいのです。
丸竈では、仙台港の低温倉庫を借りて、玄麦を保管しています。
使う分だけ店舗に運びだし、製麺室の大きな冷蔵庫で保存するなど、扱いにも気を遣っています。
さらに、内産小麦は外国産小麦に比べて、胚乳と外皮の分離が難しく、小麦粉の歩留まりが低いという難点があります。
外皮が外国産に比べ柔らかく、最初の挽砕(バンサイ)で細かく砕かれてしまうからです。
丸竈でも、石臼から出てきた玄麦をふるいにかけた際、玄麦の半分量の粉しか取れないという日もあります。
玄麦から製麺用の小麦として使える量は、日によって少しの違いはありますが、40%程度です。
小麦の状態で仕入れた方が、手間も時間も石臼や電気代や低温倉庫の費用ももかからず、安価で済むのに、丸竈は小麦本来の美味しさを追及した結果、石臼で挽くことに信念をもってこだわっています。
是非、丸竈のこだわりのらーめんを食べに来てください。
心より、お待ち申し上げています。
左より>玄麦(10)/小麦ふすま(6)/小麦(4)
※石臼挽きした場合、玄麦10に対し、小麦は4の量しかできないということです。