180の1『自然と人間の歴史・世界篇』大航海時代(スペイン、1096~1489)
かたやカスティーリャ王国は、14世紀中頃、サラードの戦いに勝利して、半島よりマリーン朝を追い出す。イスラム勢力のナスル朝を孤立化させていく。1469年には、もうひとつのキリスト教勢力である、バルセロナを拠点とし、ナポリにも進出していたアラゴン王国の王子との組み合わせにて、カスティーリャ王女の結婚に漕ぎ着ける。
これを機に、その後両王の即位で1479年、同君連合が成立して、スペイン(イスパニア)王国が誕生する。1482年には、ナスル朝への攻撃を再開する。やがての1492年には、グラナダの無血開城に成功し、およそ250年続いたイベリア半島最後のイスラム王朝ナスル朝を滅ぼして、キリスト教国家のレコンキスタ(再征服運動)を果たす。
それからは、国家統一の実をあげるべく、王権の教科書に突き進んでいく。ますは、宗教的に、地域のおいて色々あるの問題視し、一体性を目指し統制を強めていく。大胆にも、王国の高位聖職者推挙権を国王の手中におさめる。これにより、各地の司教たちは、国王に従属するほかなるよう仕向けていく。あわせて、三大宗教騎士団を王権の管轄下に組み入れるとともに、修道院改革を行う。
それら以外にも、とりわけユダヤ教からの改宗を詮索し、「隠ユダヤ教徒」の取り締まりでは、死刑を多用しての恐怖政治を行う。その中には、「学問論」などで知られるエラスムスなどの文化人も含まれていた。
宗教以外にも、統治機構の整備への努力は多方面に及んだものの、成果には結びつきにくい。アラゴン、カタルーニャ、バレンシアにはそれぞれ統治契約主義の伝統がある中では、都市参事官の選出に「くじ引き」が取り入れられるなどの小規模改革に留まる。
また、官僚機構を整えて貴族勢力を押さえようとすると、有力貴族たちは、議決権のない国王諮問会議に徐々に参加しなくなっていく。それでも、1480年のトレードのコルテス(王国議会)では、王室財政の強化の一環として、1464年以降に国王が与えた「恩寵」を取り消し、それらでの世襲年金や租税徴収権、王領地などでの国家の権益を強めたり、取り戻していく。
それら以外にも、とりわけユダヤ教からの改宗を詮索し、「隠ユダヤ教徒」の取り締まりでは、死刑を多用しての恐怖政治を行う。その中には、「学問論」などで知られるエラスムスなどの文化人も含まれていた。
宗教以外にも、統治機構の整備への努力は多方面に及んだものの、成果には結びつきにくい。アラゴン、カタルーニャ、バレンシアにはそれぞれ統治契約主義の伝統がある中では、都市参事官の選出に「くじ引き」が取り入れられるなどの小規模改革に留まる。
また、官僚機構を整えて貴族勢力を押さえようとすると、有力貴族たちは、議決権のない国王諮問会議に徐々に参加しなくなっていく。それでも、1480年のトレードのコルテス(王国議会)では、王室財政の強化の一環として、1464年以降に国王が与えた「恩寵」を取り消し、それらでの世襲年金や租税徴収権、王領地などでの国家の権益を強めたり、取り戻していく。
(続く)
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