5日、奥多摩/鋸尾根(のこぎりおね)で行方不明になっていた60代単独男性の遺体が発見されました。10月24日、JR御嶽駅から大岳山(おおたけさん・1266.5m)方面への入山が確認されて以来12日ぶり。
ご家族が、青梅警察に捜索を依頼。携帯のGPS追跡や登山道上に残された赤い帽子などから、鋸尾根の岩場から転落した可能性が高いとして、警察、奥多摩消防、東京都山岳連盟救助隊が合同で大がかかりな捜索を展開していました。捜索は、ご本人の帽子が発見された726標高点より下の岩場や沢を中心に行われましたが、行方が杳としてわからず、結局さらに下った愛宕山(あたごやま・507m)西面で昨日、消防により発見されたそう。
私も都岳連のメンバーとして捜索に加わりました。ご本人の、御岳ケーブルからの入山時刻を考えると、愛宕山周辺に差し掛かった時刻は20~21時ころ。愛宕山に登り返す手前の登計峠(とけとうげ)で車道に一旦出るため、(峠まで無事に下りて来られたと仮定しても)真っ暗なその時刻であれば、心情的に安全な車道を選ぶだろうと同行者と話していました。愛宕山への登山道の登り返しは、予想だにしていませんでした。
道迷い遭難者が「予測できない行動をとる」ことは、各種遭難事例や書籍からある程度知っているつもりではいました。今回は道迷いではないにせよ、遭難状態にある人の心と行動に、私たちの常識は通用しないということなのでしょうか…。暗い中を登計峠まで何とか下りてきて、どこに続いているのかわからない車道よりも、リスクの高い登山道を選んだということなのかもしれません。
車道をそのまま下れば、奥多摩町の集落に出られていただろうに…と思うと、残念でなりません。一方で、なかなか手掛かりが得られない中で発見に至ったのは、自ら現場に赴き、捜索チラシを配るなどして広く情報を集め、早くから民間の救助隊を含めた大掛かりな捜索を希望されたご家族の想いが通じたと考えたい。何よりも、亡くなられたご本人がご家族のもとに帰ることができたのがせめてもの救いです。
心からご冥福をお祈りいたします。合唱。
ご家族が、青梅警察に捜索を依頼。携帯のGPS追跡や登山道上に残された赤い帽子などから、鋸尾根の岩場から転落した可能性が高いとして、警察、奥多摩消防、東京都山岳連盟救助隊が合同で大がかかりな捜索を展開していました。捜索は、ご本人の帽子が発見された726標高点より下の岩場や沢を中心に行われましたが、行方が杳としてわからず、結局さらに下った愛宕山(あたごやま・507m)西面で昨日、消防により発見されたそう。
私も都岳連のメンバーとして捜索に加わりました。ご本人の、御岳ケーブルからの入山時刻を考えると、愛宕山周辺に差し掛かった時刻は20~21時ころ。愛宕山に登り返す手前の登計峠(とけとうげ)で車道に一旦出るため、(峠まで無事に下りて来られたと仮定しても)真っ暗なその時刻であれば、心情的に安全な車道を選ぶだろうと同行者と話していました。愛宕山への登山道の登り返しは、予想だにしていませんでした。
道迷い遭難者が「予測できない行動をとる」ことは、各種遭難事例や書籍からある程度知っているつもりではいました。今回は道迷いではないにせよ、遭難状態にある人の心と行動に、私たちの常識は通用しないということなのでしょうか…。暗い中を登計峠まで何とか下りてきて、どこに続いているのかわからない車道よりも、リスクの高い登山道を選んだということなのかもしれません。
車道をそのまま下れば、奥多摩町の集落に出られていただろうに…と思うと、残念でなりません。一方で、なかなか手掛かりが得られない中で発見に至ったのは、自ら現場に赴き、捜索チラシを配るなどして広く情報を集め、早くから民間の救助隊を含めた大掛かりな捜索を希望されたご家族の想いが通じたと考えたい。何よりも、亡くなられたご本人がご家族のもとに帰ることができたのがせめてもの救いです。
心からご冥福をお祈りいたします。合唱。
捜索どうもお疲れ様でした。
この件は10/28(金)に知ってからずっと気がかりで、その後SNSでのシェア、Yamakei Online で詳細を知り、ご子息とSNSを通じてもえぎの湯を目指されたのではないでしょうか?登計峠あたりがどうも気になる、というようなやりとりをさせて頂きました。
鋸尾根は98/3に一人で登り、99/12に会の山行で19名で御前山から大ダワ経由で鋸尾根を下降し、確か愛宕神社で昼食休憩をとったというくらいで、記憶がすっかりおぼろになってしまっています。
登計峠のあたりというのは道標はありましたでしょうか? 車道の道標があったとしても、海沢としか記されていないというようなことはないでしょうか? 愛宕神社は漆黒ですよね?
やはりお亡くなりになられた方はヘッドランプをお持ちでなかったのでしょうね。もう麓まで至近距離だっただけに残念で仕方がありません。合掌。
コメントありがとうございます。
登計峠には指導標がありますが、矢羽の表記までは記憶していません。あの時間は真っ暗だったと思います。ヘッドランプがなければ行動もままならなかったのではないでしょうか…ヘッドランプは小さな装備ですが、運命を大きく分けることもありますね。
再び同じような事故が起きないことを祈るばかりです。
奥多摩の交番から愛宕神社のヘッデンの灯りが見えるという記述がありました。ご子息の方がSNSにあげていらっしゃいましたが、13日に最期の地に供花できたようです。
今回の捜索で他に2遺体も発見されたようで、驚きです。
https://twitter.com/ujara/status/798316396413235200
本当に事故が減ることを心から祈るばかりです。
自分のような若輩者で恐縮ですが、2度程鋸尾根を往復したものとして、あそこの林道との分岐は、通常遠回りになると想像し、体力のあるうちは詳しい人ほど愛宕山経由で登ると想像します。
何気なく検索してて目に止まったので…。
そうですね、ハイキング好きさんの「コース経験あり」「体力あり」という条件ではその通りかもしれません。
でも、初めてのコースで疲労困憊しており、なおかつ真っ暗…という状況だったら?そこから未知の登山道に入るのはかなりリスクが高い行為に思います。
遭難に至る過程には、年齢・体力・経験・装備・天候・時刻・コース・心理状態…などが複雑に絡み合っており、どれ一つとして同じ条件はありません。本人も(冷静に)自覚できていないと思います。そんな中で「最悪の状況」を招かないためにどう判断し行動することが大切なのか-個人的に考えさせらた一件でした。
本記事は、皆さんが考える一助にもなればと思い書かせてもらっています。