本日の奥多摩は、曇り空に雨が混じるぐずついた1日に…日曜日にも関わらず、首都圏近郊の山としては珍しく静かでした。そんな静寂の森の中で、幸運な出逢いが-。
西多摩郡 檜原村(ひのはらむら)の、とある人里近く、昼前の様子です。
この辺りで標高約600m。檜原村は、山間地の集落のため、こんな急傾斜地に特産のじゃがいも畑などがあります。山の斜面をわずかな畑地として切り開いた村人の、努力と苦労が偲ばれます。
後ろに見える稜線は、浅間尾根(せんげんおね)。霧が幻想的にまとわりついていました。
そして今日、ある場所まで登ったのですが、その道すがら、嬉しい出逢いがありました。
ランの仲間、ジガバチソウ(似我蜂草)です。6/21の本ブログ「理想の森林(もり)」でご紹介したクモキリソウに似ていますが、奥多摩ではこちらの方が稀で、なかなかお目にかかれません(私は、今回が2度目)。本日も、この1株だけがひっそりと佇んでいました。
ちなみにその名の由来は、この花の姿を蜂に見立てたものだそうですが、見えますか?(笑)
ジガバチソウとの遭遇にすっかり気を良くしていると、別の場所で今度は、幸運の出逢いが!
少しわかりにくいでしょうか…こちらが花です。
同じくランの仲間、キンセイラン(金精蘭)です。
環境省レッドデータブック(日本の絶滅のおそれのある野生生物種)で「絶滅危惧ⅠB類(絶滅の危険が高い種)」に指定されている、極めて珍しい植物です。
奥多摩へ来て4年、私も初めてお目にかかりました。緑濃い森の下で、この1株のキンセイランの周囲だけが、静かに輝いているような存在感。花の形と色合いが名前の由来になったといわれる、まさに“金の精”の佇まいです。
その清楚な美しさゆえに盗掘の対象になりやすいランの仲間。キンセイランもジガバチソウも、この場所にいつまでも咲き続けてほしい…私の願いです。
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盗掘されないことを祈ります・・・
ジガバチソウは先日六甲山系で見かけたのですが、稀少植物ということで見つけた方に「この場所は秘密にしておいて」と言われました。
また、山上施設の近くで確認されていたオオバノトンボソウが6株、開花前にすべて“消失”するというナゾの事件が起こりました。
野山の花は、その季節に、その場所へ足を運んで、現場で見てこそ美しいと思うのですが・・・
ありがとうございます。
にゃみにゃみさんのオオバノトンボソウ消失事件を聞いて、この手の情報をweb上で公開するのはくれぐれも気をつけないと…と思いました(今回の記事も、念のため場所を推測できる固有名詞は削除しました)。
植物、野鳥などの盗掘は、マニアの他にプロ(商売人)が絡んでいるケースも多いようですね。これらは確信犯ですが、少なくとも私たちは「自然の中にあるからこそ美しい」事実を少しでも多くの人に伝えて、「みんなの手で守る」環境にしていきたいですね。