南アルプスは、山梨・長野・静岡県にまたがる。赤石山脈とも呼ばれ、南北約150㎞、中央部の東西は約40㎞。3000m以上の高峰が9座、2500m級のピークは70座以上を擁し、北アルプスと並んで日本を代表する山岳地帯である。
冬の甲斐駒ヶ岳より北岳(左上)と間ノ岳(真ん中上)、南アの峰々を望む
『新日本山岳誌』(日本山岳会編著)ほかによると、壮年期に入り活動がほぼ終わったとされる北アに対して、同山域の歴史は比較的新しく、約100万年前に隆起が始まったと推定されている。現在でも一年間に平均して4㍉ほどの速さで隆起している、という。これは、100万年後にはさらに4000m高くなる計算。
聖岳の夏
花崗岩からなる甲斐駒ヶ岳と鳳凰三山を除いて、ほぼ全域が四万十層群と呼ばれる堆積岩類からなる南アルプス。「しかしこれは決して均一の岩石でできているわけではない。砂岩あり、泥岩あり、チャートあり、石灰岩あり、玄武岩ありと、著しく多様性に富む」(『日本の山と高山植物』(小泉武栄著))。このことは植生にも大きな影響を与え、北岳の「草すべり」に代表される見事なお花畑を発達させた。北アに比して、キタダケソウ、キタダケヨモギ、タカネビランジ、タカネマンテマなどの固有種が多い直接的な原因にもなっている、という。
先日訪れたばかりの、南ア/白峰三山の花と自然の一部をご紹介。
ヤナギラン(柳欄/アカバナ科)
コウメバチソウ(小梅鉢草/ユキノシタ科)
チシマギキョウ(千島桔梗/キキョウ科)
タカネシオガマ(高嶺塩竈/ゴマノハグサ科)
シロバナタカネビランジ(ナデシコ科)。南ア固有種。
コバノコゴメグサ(小葉の小米草/ゴマノハグサ科)
トウヤクリンドウ(当薬竜胆/リンドウ科)
キンロバイ
(金露梅/バラ科)
タカネマンテマ(高嶺マンテマ/ナデシコ科)。南ア固有種。
チングルマ(稚児車/バラ科)の果穂。
ナナカマドやウラシマツツジは赤く染まり始め、高山は秋の気配。
そして今回も…
ライチョウ(雷鳥/ライチョウ科)の親子に出逢うことができました。(真ん中)
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稜線歩きも少し寒かったりはしましたが、北岳が見えたり、間ノ岳が見えたり、西農鳥岳や農鳥岳が見えたり、それだけで「あそこから来たんだ、あそこへ行くんだ。」と思い返したり、ワクワクしたり楽しかったです。
今年初の雷鳥親子にも会えたし・・・。
草滑りで、このピンクの花見たことないって言ってたのはヤナギランですかね?
キンロバイの写真アップしていただきありがとうございます。
早速、USBにダウンロードさせていただきました。m(__)m
お疲れさまでした。
ヤナギラン、私も実物を見たのは初めてだったので、調べるまでわかりませんでした。