落語を聴くようになったのは、30代を少し過ぎた頃からだろうか。
よく寄席に行ったねえ。
本当に落語が好きな人はじっくり聴こうと、好きな噺家の独演会などに行くのだと思う。
ぼくは寄席の中で聴くことが多かったけれども、いろんな芸人が出てきて入れ代わり立ち代わり、いろんな芸を見せてくれる、そんな寄席の空気が好きだったのかもしれない。
柳家小三治さんがお亡くなりになった。
もちろん、寄席の中で何度か噺を聴いたことがありますが、30年も前、どうも
単車を乗り回したり、超オーディオファンであったり、という噺家さんにはちょいと変わった?ご趣味のほうが印象に残ったかも。
もっとしっかりこの方を聴くべきであったなあ、もったいないことをしたなあと今は思うのである。
なんと、まったく素晴らしい落語家さんであった。
今ごろそんなことを言うなんて恥ずかしい・・・
ウェブで、数席、お聴きしてみました。
どれも、立派な小三治師匠の噺になっていたと思い、ビックリいたしました。
もっぱら、一時、長い まくら が面白いなどと思ったが、それ以上に本編が感動的に新しく、しまった、この人をもっともっと聴くべきであったなあという思いがしてならない。
「居残り佐平治」よかった。
「うどん屋」よかった。
他にももっともっと、素晴らしく新しい小三治師匠の噺があるにちがいない。
どうしてもっともっと聴いておかなかったのだろうか。悔やまれる。
さーっと、お亡くなりになられた・・・ご冥福をお祈りいたします。
フォト・文 石郷岡まさお