gooブログはじめました!散歩写真の達人 石ちゃんのフォトエッセイ ーーー30年の私写真散歩 少しずつお見せしましょう。

「東京原色図鑑」散歩とスナップ写真1万点。
80年代の東京も。大好きな写真家に、濱谷浩、石元泰博、森山大道氏等。

カメ漫だらだら石ちゃん散歩 その4

2012年11月08日 | 散歩 余暇 趣味 健康 デジカメ
 浅草、仲見世通りを歩いてもらった。助六師匠に。ああ、何とも申し訳ないことをした。勲五等旭日章のお方に、夜の仲見世通りを歩いてもらったのだ。8代目雷門助六師匠は粋なお方でありました。寄席もはねて、の仲見世通りだから、店はもう閉まっている。何とも粋な歩きかたであった。カメラマンのこころにフィルム面への映像より濃く印象に残った。
1986年、文化庁芸術祭賞を受賞されての直後だったと思うが、雑誌「宝石」で取材、撮影のために寄席へお邪魔した。グラフで組むにはいろんな写真が欲しい。それでは、と日を改めて、練馬のお宅にお邪魔した。そのときのことです。記者とぼくは、これ以上はない至福の時を味わっていた。カメラマン生活の中で10本の指に入る至福の時。 いやあ、ものすごく面白いお話をポンポンとなさるのでありました。N記者など、メモを置いて笑い通し、ぼくもまた同じ。
オフレコでということでお話を始められたそのお話の抱腹絶倒面白かったこと。記者冥利に尽きる得難い体験をさせてもらいました。どんな寄席でも聞けない、多分料亭に落語家を呼んでの一席お伺いというような場面でも、師匠は話されないのでは、というような貴重なお話だったと思う。もっともそんな贅沢、貧乏なぼくにはとてもできぬ相談だが。
これではちっとも、この一文を読んで下さる方には分かりませんよねえ。ヒント、戦後の一時落語を離れての時代のことらしかった。これ以上は書けませぬ、すみません。

 8代目雷門助六の「長短」を改めて聴いてみた。上方と江戸っ子の気風の違いが興味深く演じられている。実際に東京生まれの江戸っ子で、関西、上方の生活も経験された師匠の思いがこの噺には詰まっているように感じられた。

 「あやつり踊り」も目の前で見られたし、しあわせな時を過ごしたものだ。今は寄席で噺家さんがそれでは、一つと踊って見せることもあるのだろうか?都を遠く離れての田舎暮らしなものですから、モダーンな、粋なというべきでしょうね、寄席芸に接することもないのです。

 思い出した。ぼくがサラリーマンだった頃、上司に江戸っ子、東京の神田生まれの方がいまして、詳細は忘れたが何かの折に「しひ型」「しひ型」と連発なさる、しばらくううんと考え、上司は、ひし形、と言いたいのだと分かって大笑い。「ひ」と「し」が全く逆なのでした。
 
                         エッセイ 石郷岡まさを

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