ぼくが最も影響を受け、かつ最も好きな写真家を上げよといわれるならば、
石元泰博氏ですね。最も尊敬する写真家でもあります。
若いころ、「シカゴシカゴ」、彼の名作である写真集なのですが、をみて写真ってこんな風にも撮れるのかと、ショックを受けたことがあります。
いわゆるスナップフォトなんですが、そこには何か超えちゃったなという、まるでもう一つの世界に写真家は行っちゃったなあと思ったことがあります。日常の都市のスナップフォトなんですが、もう一つの世界、言うならば死の世へ・・・行っちゃったなあという感想を持ちました。
他にも、「桂離宮」という一冊の写真集にももうぶっ飛びました、下品な言い方でごめんなさい、ただの建築写真集ではありません、本当に何度見てもそのたびに新しい見方ができるように思いました。
他にも、ぼくの大好きな写真集があるのですが・・・あまりこの本をあげる人はいませんね。
実はぼくが大好きな写真集があるのです。それについて書こうと、最新号のペンを取りました。
それは、『とんできた色紙』という本について、なんです。いいなあ大好きだなあと思いつつ、つい買いそびれてしまいました。もちろん、石元泰博氏の素晴らしい写真集なんですが、たしか、あるゼネコンのPR誌に、長いこと連載されておった写真だったと思います。【竹中工務店でしたか・・・】確か、ぼくの記憶違いでなければ、・・・待てよ、この本かなあ?今、ウェブ上で調べているんですが、『色とかたち』という本なら今でもありそうです。これかなあ、嗚呼いいなあと思ったときに本は買っておかなきゃあなりませんね、ほんと。ホントにそう。
しまった。どうもこれっぽいねえ。
ほんとうにこの本このセンス、大好きでした。
手に入るなら今からでもしっかりと買いたい。
だって相当好きな写真集でしたからね。
本って、買いたいときに買っておかなければ・・・嗚呼それは書きましたか。
平凡社さんが頑張って出してくれたおかげで、こうして名作は残るのですし、出版各社さんも、もっともっと写真集、出してほしいなあとはぼくの個人的なお願いです。必ずしも、人気タレントの写真集や、ヌードフォト満載の写真集をいかんとか、怪しからんとかいうのではありませんよ。もちろんそれぞれの好き好きでしょうが、ぼくなら写真家のベストワークが見たい。オリジナルな光の冒険というか、実験的な作品を見たいと思う、ただそれだけなんですね。
そこんとこ、誤解なきよう願います。
間もなく、東京都写真美術館ほかで、
「生誕100年石元泰博写真展」が開催されるというニュースに、是非ともみたいなあと思いました。
とにかく一流のものを見ること、見て、見続けること、それが一番の勉強になりましょうし、また愉しみともなりましょう。
ぼくが自分に課している一つの方法を書き留めておくにとどめますが、石元氏の写真集にはどれもまったく新鮮な驚きが感じられます。
此れこそが、アートという写真の魅力のひとつの面なんだなあと・・・こんな写真家、ほかにあまりいらっしゃらないのでは?だからすきなんですね。
フォト・文 石郷岡まさを