まさおレポート

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バリ バッグ屋の親父に22年前のダヤック族の話を聞く 美しいビーズでカバーされた古い山刀

2009-09-21 | バリ島 人に歴史あり

近所のバッグ屋の親父からボルネオ(カリマンタン島)の美しいビーズでカバーされた古い山刀を二振買った。この数ヶ月、店先に置かれた古ぼけたビーズカバーの山刀が気になって仕方なかった。ビーズも長年の塵埃で薄汚れているし、中の山刀も錆びている。しかし、そのビーズ模様といい、錆びたとは云えどことなく鋼の質の良さを感じさせる刀身といい惹きつけられる。先月に店でそれを丹念に眺めていると親父は金はいつでもよいからビラに持って帰って飾って鑑賞しろと云う。それでいそいそとビラに持ち帰った。

よく絞った布でビーズ部分を拭いてみると中から鮮やかな色が出てきた。ビーズの大きさは不揃いなのだが、陶器製の実に美しい色が埃のなかから現れてきた。かつて埃まみれのまだら茶の捨て猫を拾ってきて、こんな不細工な子猫はどうしたものかと思いながら洗うと、実に美しい漆黒と純白の毛並みが出てきて驚いたことがあったが、今回はそれほどではないが、その思い出を彷彿とさせる。

当初はダヤック族といわれても何のことか特に関心を持たなかったのだが、インドネシア人は全員知っているくらい有名らしい。近年まで森の中で独自の文化と言語と生活習慣を守り、いくつかあるその村にたどり着くには山を越え、川を上っていかなければならなかったという。もちろん近年まで電気も供給されていない秘境だったという。今ではありふれた田舎の村になっているらしいが。

バッグ屋の親父は結婚前にカリマンタン島で1年3ヶ月滞在していた事がある。22年前のそのときは、川をボートで一日半漕いでやっとたどり着いたのだという。金が通用しないのでTシャツや砂糖と物ぶつ交換したという。そのときに手に入れたものの一つがこの山刀だという。そのころ観光客が訪れることなど無かっただろうから土産用に作ったものではない。現役の山刀をたくさん並べられて一番美しいこの山刀を手に入れたのだという。

彼らと一緒に山でイノシシの狩りもしたのだという。吹き矢と弓あるいは山刀で大きなイノシシをしとめるには植物からとった毒薬を塗るという。その毒の効果はものすごく、小さな吹き矢が刺さるだけでその場で昏倒するか、あるいは逃げてもすぐ近くで倒れているという。毒薬は矢や山刀にも塗るという。アマゾンの秘境とよく似た話がこのカリマンタン島でもあったのだ。

普通は鞘は木でできている。このようにビーズでカバーされているものは恐らくダヤックの中でも貴重品だっただろうと推測される。現在では入手不可能なものに違いない。

バリ バッグ屋の親父に22年前のダヤック族の話を聞く その2





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