あるヨーロッパ人から、夫に先立たれた女性をなんというのかと質問を受けた。未亡人を英訳して「not yet died woman」と答えたら驚いていた。日本人である私も、その言葉を書く新聞も、読み上げるテレビキャスターも「未亡人」の言葉の持つ意味など考えずに使っているがねとも付け加えたが。
ウェブで調べると「夫が死んだらそれに殉じて妻も死ぬという観念は紀元前8世紀から5世紀ころの中国に存在した観念である。」とある。インドでもバリでもかつてはこの風習があった。考えてみれば、なんともおぞましい言葉が生き残っている。差別用語に敏感な日本で、このような言葉が存在していて、誰もなにも感じないことにあらためて驚いた。