マサの雑記帳

海、山、庭、音楽、物語、歴史、温泉、経営、たまに税について。

タンタカタン タンタカタン トン

2017-04-15 23:22:21 | 日記
 知の編集工学という本を読んだのは十数年前と思う。
小難しいことを書くおっさんだな、というのが当時の印象。

 私は小林秀雄とか吉本隆明といった批評家ないし思想家のような人の
旬を知らない。そして評論よりも原典、即ち最初の一筆を振るう愚かさをこそ
愛づるべき、という思いもある。
 一方、読みまくって考えまくった、と言える論者が同時代にいたら、
良き案内人を得て、読書人として幸福であろう、とは思う。

 そういう意味では松岡正剛という人は、2000年から
千夜千冊という読書録ブログを立ち上げており、
飽きもせず続けているのだから大した人だと思う。
何回か覗いたことがある。

 とはいえ素直に読みたくなるのはドナルドキーンさんの勧める本かな。
年末の2夜連続番組を見た人いるかなあ。あれはいい番組だった。
キーン氏壮年期の再現ドラマの役者も良かった。細雪なんてもう筋を忘れてる。
また読みたくなった。本棚で茶色くなってるはず。

 今すぐは読まないだろう、とは思う。心が貧しくなったので。

 閑話休題
とどのつまり、きれいな女性が出てくる話が好きなんで。
助平?
それをいっちゃあおしまいよ。

 エッジを生きているような、儚さ。
エロスはタナトゥスと表裏というわけで、結婚しちゃいけない女性。

 そんな女性を演じておじさんを萌えさせるコムアイが松岡正剛と
対談した今夜のスイッチインタビューは面白かったな。
 松岡氏は水曜日のカンパネラとたけくらべを同一線上に並べたり、
その読解力とかリミックスは、なるほどおっしゃる通り編集工学であった。
たけくらべ、は葛藤と邪険だそうだ。
 惹かれ、理解できないので葛藤し、行動として邪険になる、なるほどね。

 コムアイ氏の「全体を把握したい欲が強い」という言葉が印象的。
彼女の第一印象って矢野顕子を初めて聞いた時に少し似てた。
 ただ矢野はそのフィルターに引っかかった
ものを表現する分野をあくまで音楽に限定している。
ゆえに表現しきるためにプロミュージシャンとして技術に拘る。
 
 コムアイは彼女の全体を把握したい欲、に対してそれを音楽の中で表現しきる
技術がない。矢野がファーストアルバムの時点で
既に長男を生んでいて、生死に対する確信のようなものを体感してのに対し、
コムアイはそうではない。故に、獣の解体や農作業といった
消費者として関与することができない生死の実態に関与したいのかもしれない。

 本人の技術的未熟さはそのままに、その把握したい、という強烈な模索のプロセスを
プロが映像化し、インターネットで共有される。
アマチュアがプロになっていくドキュメントが面白かったのだとわかった。
 
 売れたバンドとして3月は武道館ライブがあった。観に行った松岡氏は
媚びずに3月の武道館は面白くなかった、とあっさり。

 シャクシャインが好きだね。おじさんは。

 先週読んだのは高田文夫の
誰も書けなかった「笑芸論」

学生時代に一所懸命に寄席に通ったけど
コムアイみたいな子はいなかったなあ
(彼女落語が好きだそうです)