この週末に読んで興味深かった一冊。「クレーの旅」平凡社。日本パウル・クレー協会の新藤信さんという方の著書。クレーは作品を鋏でバラバラにしていくつもの独立した絵を作っていた。または、組み合わせを換えて新しい作品に仕立てていた。日記を後で書き直していたらしい。クレーにとって作品は生成の過程であり、あらかじめ用意されたプランの仕上げ作業ではなかった。ということがこの本で語られている。仕事に完成という区切りがなく、つまり、これで良しという終わりがなく常に未来に向かって過去を変えているということ。そこが僕にとって刺激的だった。 うちの奥さんが図書館から借りてきて、読んで面白かったので薦められて読んだ一冊。クレーはマティスと並んで僕の好きな画家の1人。自分の営業戦略のために日記を書き換えてしまうなんて、ひどいとも思うが、この一冊を通してクレーへの興味と関心がより深くなったことは確かだ。