人生にはこんな不思議なこともあるんですね。インターネットを通じて知り合った人の結婚式に出られるという幸せ。
2009年キーボードマガジンコンテストにおいて、アレンジ部門グランプリを受賞された、私の音楽人生に多大な影響を与えてくれた人。sattonさんの挙式、披露宴に呼んでいただいて、ピアノ演奏とスピーチをさせていただいてまいりました。
17日の京都はあいにくの雨。でも私の結婚式も雨で、それはそれは思い出深いものとなったので、スピーチに雨のエピソードを急きょくっつけました。
東山青蓮院前にある趣のある建物が、今回の挙式・披露宴会場となった「パビリオン・コート」。こちらの方々がとてもステキで、特に給仕長(古い言い方ですが)にあたる方がとてもきさくで雰囲気のいい方で、リハーサルの時に和みました。ほどよい距離感で色々ちゃんと把握してるんだけど形式ばったところがなく、サービスマンとしての良いところを兼ね備えているような方でした。司会の女性も明るく見事な進行でした。
人前式の時から、すでに親御さん目線になってしまって、新婦とそのお父さまとの歩みにぶわっと涙が。新郎側で泣いてる女の人(親族でなく)ぜったいヘンなんですけど、もうほんと親戚のおばちゃんになりきってました。自分が子を持つ親になってからの結婚式への出席は義弟の時以来。特に義弟の時は娘が赤ちゃんだったので、感動にひたってるひまがなかったんですが、今回は手ぶら?でしたから、思う存分感動させていただいた次第です。また新婦Rさんのうれしそうな笑顔が何とも涙を誘うんだなあ・・・。昨年の「へいわのつどい」の打ち上げでご一緒させていただいたんですが、ほんと穏やかで優しいステキな女性で、sattonさんとお似合いだなーって思っていました。
披露宴会場はまるで舞踏会が行われていたかのような趣の場所。部屋の隅にはヤマハのC6が鎮座していて、今まで見たこともない披露宴会場でした。和やかな雰囲気の中、jene-tさんの歌の時間になり、高砂の席の前を横切ってピアノの場所へ。新婦のご家族が小田和正さんの大ファンということで、いつも小田さんの歌を歌っておられるjene-tさんが選んだのが「東京の空」という曲。何でも大きくなった子供のことを想う老夫婦の歌だそうで、ピアノの伴奏もちょっとジャズっぽい響きが入っていて、弾いていてとても優しい気持ちになれる曲です。前日のリハーサルでは慣れないスタインウェイに手こずってイマイチだったけど、会場のC6は本当に弾きやすくて音も優しいいい音で、jene-tさんからも「これまでで一番歌いやすい伴奏でした」と言っていただきました。後半終わると見せかけて始まる「言葉にできない」は、弾きながらじーんと。終わってから新婦のお父さまが満面の笑みでお礼を言いに来てくださり、喜んでいただけた様子がとてもうれしかったです。
写真は新婦のお色直しの時間に2人でピース。たくさんの方に祝福されて、sattonさん本当にうれしそうでした。
新郎もお色直しのため、お母さまをエスコート役にお2人で退席。それを見てまた涙が・・・。だって司会の方が「小さい頃、手をつないだ事を思い出して、どうぞ仲良く手をおつなぎください」とか泣かせることを言うんですよ。お母さまのうれしくてちょっと寂しい気持ちと、小さい頃、自分も息子と手をつないで歩いていたことを思い出して・・・。いかん、思い出しただけでまた涙が出て来た。
新郎・新婦のいない間は、sattonさん自ら編集したというスライドショー(お仕事柄、そういったことはお手の物のようで、イベントのプロデュースとかもガンガンやってる方なので)それを見てまた涙。小さい頃の写真、中学校の卒業式、学生時代の吹奏楽部、武部さんとのツーショットなどに混じって、何と!さいたまにライブに来てくれた時の写真が入っていたんです!ひっきーさんと3人で映ってる写真、ほんと感激でした。
スライドショーが終わり、再びの大仕事、お色直し後のご入場のBGM演奏。実は思っていた以上に時間が短く、その日の朝のリハーサルで短縮しました。それも何とかうまくおさまり、いよいよ一番重要な?スピーチを。まず一番最初の主賓のごあいさつが結構面白かったので、うわー、ウケるかなーと。
まず第一声「スピーチとスカートは短いほうがいい!」をかましたところ、しーんとしていて「やばい!」と思ったんですが、「これは私の大好きな博多華丸・大吉さんのザ・マンザイのネタでございますけれども」というところで、新婦側の席からどっと笑いが起こり、ホッとしました。その後も40歳主婦と30歳独身草食系がネットで知り合ったネタや、2010年のライブの後でお付き合いが始まったことから、sattonさんの歌を引き立てた私のピアノのお陰、という、笑ってもらわないと洒落にならないネタまで、自分の中では結構スレスレな感じのスピーチをしたんですが、みなさん大いにウケて下さって本当に良かったです。全部終わって席に戻った時は、もう何かふにゃふにゃになってました。
ケーキカットでお互いにあ~んしたり、楽しい時間を挟んで、その後しばらくして新郎新婦による連弾があり、それがまた最高に良かったのです。春らしい曲ということでsattonさんアレンジの「赤いスイトピー」を。ほんと良かった~~。優しくゆったりとしたアレンジで、すごく息が合ってて、式の準備やお仕事も忙しい中、来てもらった人への感謝の気持ちとして演奏されたんですが、きっとたくさん練習されたのでしょう、完璧な演奏でまたまた感動でした。でもまだ感動のピアノ演奏は続いて、今度はsattonさんがソロで、お父さまがお好きな曲を演奏されたんですが、もうそれを聴いて涙が止まらなくなりました。
色々あってsatton少年がピアノを弾くことをあまりよく思っていなかったお父さまが、唯一何度もリクエストをされたという「灯台守」という唱歌。とても優しいアレンジと確かな演奏力、心のこもった歌ごころあふれるピアノに、改めて「この人すごい」と思いました。お父さまも大感激だったみたいで、色々考えてあった最後のごあいさつの言葉を忘れてしまわれたようでした。
若い頃、色んな結婚式に呼んでいただきましたが、これほど素敵で完成度の高い音楽結婚式は初めてでした。いたるところにピアノの音があふれていて、BGMはお2人の大好きな曲(マッキーだったり洋楽だったり)音楽好きにはたまらない、普通にライブに来て楽しんでいるような感じさえありました。堅苦しいあいさつは全然なくて、ただただ楽しく明るくあたたかい。そんな素敵な結婚式に、呼んでいただいただけでなく、たくさん関わらせていただくことができて、一生の宝物がまた一つ増えました。
sattonさん、Rさん、ほんとにおめでとう。そしてありがとう