「短歌研究新人賞のこと」
★いくそたびこのビル宛に新人賞応募歌稿を送りしことか
歌集『厚着の王さま』より
あれから何年過ぎたのか。「短歌研究9月」を開くときおもう。すでに新人賞へは応募していないが選ばれた方々が眩しい。登っていた山の頂上が少し見えたとき、私は頂きに背を向けて山を下った。もう一息だったのに。いや頂に近づくほど険しくなり、若さが必要なのだ。
「短歌研究新人賞」への応募を勧めてくださったのは近藤芳美先生だった。中野の歌会のとき「ほかの短歌総合誌は編集部で選んだ20人位の中から受賞者が決まる、すでに選ばれた中から選ばれる。老人は門前払いされやすい」と。短歌研究の場合は▲①第一次選考は作者名を削除、候補作として1位より6位まで選出。▲②第二次選考は各選者より選ばれた候補作を1位より10位まで選考。▲③第二次選考の結果をふまえ最終選考会 とのこと。
私は応募し佳作の欄に5首載った。翌年は予選通過で2首のみ。その後応募しなかったり、したり、最終選考に2度通過した後は、、、まるで新緑の中の老木のように、である。。共に応募していた仲間たちは皆消えて、私はひとり山を下り、今は麓から頂を見上げている。
今年の応募作品は約600編。男性49% 女性51% ▲年齢別では20代以下が26%である。30代21% 40代14% 50代16% 60代14% 70代以上11%である。
▲候補7名は58歳一人を除き40歳以下▲最終選考通過は平成生まれが9人 7名が昭和
生まれだが最年長は64歳である。「未来」の会員になったのが50すぎの私はまだ新人のつもりだが、もはやこ新人賞への応募は気がひける。本人は若いつもりでも他者から見れば明らかに老人であり作品も老いているであろう。。これ以上老化しないように、これから新人賞作品を読もう。 8月21日 まずは冷たい珈琲を飲んでから 松井多絵子
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