活かせるもの すべては使うことに尽きる

　動物でも植物でも、使わない器官は退化する、言うまでもなく、これは生物学界の常識であります。エアプランツと言われる着床植物が、葉から水分を吸収する代わりに根を失いました。洞窟に迷い込んだ水生植物に目が無くなったように、年寄りが転倒して足腰を骨折すると、たちまち筋肉が弱り歩行困難になります。連れ合いに先立たれると、多くの人がテレビ位しか見なくなりいつの間にかボケて来ます。

　人間も、使わないと盲腸がそうであるように段々退化し機能を失うことになります。ワタシはそれを意識して、出来るだけ車を使わず移動し、ガーデニングに精を出し、篆刻や書道で指先や手を鍛え、ブログとスマホゲーム・ツムツムで脳の活性化を図っています。趣味や道楽というより自分が老化に伴って弱っていくのを防止しようと思っているのです（これは本当です）。

　これに加えて、運動不足解消と筋トレ、ダイエットと有酸素運動による糖尿病対策で、エアロバイクを漕ぎ出してから間もなくひと月になります。体重（脂肪）を１㎏落とすために9000kcalを消費せねばならない、という算式があります。ようやくバイクのメーターは8000を越えました。理論上の体重減は間もなく１kgに達します。これはまた後日結果を載せたいと思います。

　ワタシが最も衰微し機能低下しているのは発声機能であります。今朝も起きてから、家内と二言会話しただけで、このままお昼まで無言のままになります。家からさほど離れてはいませんがワタシだけの隠れ家で、農作業とメダカの飼育、書道篆刻の日々を送っていますから、誰とも会わず会話もしません。電話も滅多にいたしません。

　すると、声が出ずらくなります。しわがれてきます、まさに年寄りの声になってくるのです。これに気づいたのは実に２０年以上も前、会社勤めをしていて、休みの日にはＰＣゲームにはまった時期でした。起きてから寝るまでＰＣにかじりついて一言も発しないという生活でした。すると、月曜日、出勤して喉がおかしい、声が出ないという現象が出たのでした。

　休日に自室にこもりっきりという生活は数年で解消しましたが、定年後無言生活を始めるとまたしても声が出なくなってきました。病院にいっても、悪いところはありませんと言われました。そこで、発案したのが一人カラオケでした。隠れ家はそこそこ防音になっていて、ワタシが下手な歌を大声で歌っても外には漏れません。オンステージという１万ナンボの機器を購入し、案の定これで、だいぶ声が戻ってきたのですが、子供に職場トラブルが発生、長期に会社を休むと言う事態が生じた時、親父が呑気にカラオケやってる場合ではあるまい、とカラオケ断ち、願掛けをしたわけです。

　幸い彼は自力で立ち直り、嫁さんを貰えるような心境・経済状態に落ち着いたのです。ここにきて3、4年ぶりに晴れてカラオケを再開しようと思ったら、初期画面から起動しないではありませんか！。ちょうどパソコンが起動するときに「ロゴマーク」が出てから一歩も前に進まないという状態でした。機械ものにあるあるですね。長いこと電化製品を使わないといつのまにか使用不能・故障するということでしょうか。乗用車のバッテリーが上がるみたいな。これでは生き物と同じ、使わないと退化するのか？

　そこで、購入後初めて取説を開くことにいたしました。しかし、残念ながらこうしたトラブルに対応する対処法は書かれておりませんでした。で、先日ふと思ったのが、コンセントを全部抜く、ということです。パソコンなどでは静電気が帯電すると正常に作動しないことがあります。思えばずっと何年もカラオケ機のコンセントは刺しっぱなしでした。すると、なんと今度はちゃんと作動したのです。

　以前せがれが、カラオケやろうとして動かないと言っていましたが、その時いろいろいじったらしく（いやワタシがいじったせいか）いろいろ設定が変わっていて、事前に登録されている800曲分の楽曲が表示されない、大事な採点機能(笑)も作動しないとかでありました。パラパラと取説を読んだら、これはありました。操作方法が書かれておりその通りに動かせば元通りに。

　そこで初めて知った衝撃の事実が「採点機能」に３段階あった、ということです。初期設定がカラオケモード、テンポだけをチェックする機能だったのです。音階が外れていても、伴奏と自分が歌っている所さえ合致していれば高得点が出るのです。これに、音程が加わって（つまりまともに歌えているか）スタジオモード、さらにそれがシビアに採点されるオンステージモードとありました。ワタシは、知らずにカラオケモードで歌っていたので、すぐに９０点以上が出るのです。そんなに上手いか？妙だなぁと思っていました。

　試しにスタジオモードに切り替えたところ残念ながらせいぜい良くて８０点でありました。(´；ω；`)ｳｩｩ

人間の機能も、カラオケ機も、取扱説明書もみんな同じ、使わないとダメというオソマツデアリマス。