ASIAの独り言

   

甘い生活

2020年06月01日 06時14分27秒 | 
子供の頃、和菓子は法事などの時にお寺で食べることが多かった。
お饅頭や羊羹、落雁、生姜せんべい、豆菓子、小さな栗饅頭など。
その影響で思春期の頃は、あんこがあまり好きじゃなかった。
お寺のお線香の匂いと和菓子(あんこ)が結びついてたせいだと思う。
子供の私にとって、お線香の匂いはあの世の匂いで、暗く陰気なお寺と分かち難かった。
今でもそういう感覚は残ってて、通夜や告別式は苦手だ(得意な人もいないと思うけど)。

そんな苦手意識が減ったきっかけは、高校の時に食べたイチゴ大福。
ショートケーキに乗っててほしい一位、練乳かけて食べたい一位のイチゴ。
イメージは完全に洋だった。そして和菓子にはない鮮やかな赤が陽だった。
そんなイチゴが文字通り中から、大福のお線香の匂いと陰鬱なイメージを突き破ってくれた。
口の中で甘味と酸味がスパークし、溶け合って、笑顔がこぼれた。
和菓子を心底美味しいと思った瞬間だった。それ以降、あんこに素直になれた。

……とここまで書いて思い出す。みたらし団子は別格で昔からずっと大好きだったことを。
あれも和菓子だけど、お寺で食べたことがないからだ。いつも親が仕事帰りのお土産にくれた。
串に刺さった小さな団子が、タレで満ち満ちたビニール袋に入ってた。二度漬けどころか三度四度漬けた。
鴨川の横、地上を走ってた頃の京阪三条駅構内の売店で売ってたって大人になってから聞いた。
これを超えるみたらし団子に、まだ出逢えてない。思い入れが強過ぎるからと人は言う。
まだ本店では売ってるみたいなので、次の帰省で絶対食べる!……口の回りタレだらけにして。

とりあえず今日から新しい月。水無月でも食べて気分一新。頑張ろっと。


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