春は別れの季節。
こんな私でも、教え子という存在がいて、
今日、2クラス、卒業の日を迎えた。
特にセレモニーがあるわけではない。
いつものレッスンの延長の、
ちょっとした発表会だけ。
その本番の堂々とした姿、
緊張と高揚の程よいバランス……
もう、既に中学生なんだなってしみじみ思う。
終わった後のホッとした顔、
次の組のことなど考えず、はしゃいでいる……
まだ、小学生なんだな、と可愛らしくも思う。
嬉しさと寂しさの混じった、
いつもと微妙に違うテンション……涙は似合わない。
いつもより元気良く、「さようなら!」
いつもなら、そこで退室なのに、やつらめ、
「ありがとうございました!」なんて付け加えやがった。
一瞬止まった時間。憎まれ口で返した……涙は似合わない。
「中学でしごかれてこい!」扉を開けた。
「やだ、また先生のほうがいい!」扉を閉めた。
話し続けてたら無理……やっぱ、涙は似合わないんだよ。