宮本浩次率いるロックバンド、エレファントカシマシの4thアルバム。
全7曲ですがフルアルバム相当の40分というエレカシのアルバムの中でも異質な作品。
ブルースロック/フォークロックに宮本浩次の荒々しい歌唱がのる構成。全体的に曲が長く「遁生」と「晩秋の一夜」については10分超えの大作となっています。
同じようなアレンジが続きシンプルな構成の楽曲もあるのですが、言葉の力が強くて引き込まれます。
本作は"男として生きる苦しみ"や"人生の虚しさ"、"人生の意義"などについて歌っています。歌詞中にも引きこもる男や散歩で時間を潰す男などが登場します。
そんな登場人物の虚しさや哀しさが宮本浩次の歌唱と合わさって形容しがたい感情を呼び起こします。
私も男なので正直に言いますと泣けるというか、我々男性は子供を産めないので働いて稼がなければ価値がないのだなぁと実感してしまいます。
たぶん男にとって無生産な生活は耐えられない地獄なんだと思います。
名盤なのは間違いないですがかなり癖が強いので、ある程度人を選ぶアルバム。
しかしながら、グッと来るものはあり特に男性の方にはぜひ聴いて欲しい作品です。
【トラックリスト】
1. 男は行く
2. 凡人 -散歩き-
3. too fine life
4. 偶成
5. 遁生
6. 月の夜
7. 晩秋の一夜
「男は行く」
【歌詞一部抜粋】
さとりすましたこの身には
肌にしみじみ染みてきた
浮世の風が さみしさが
「偶成」
【歌詞一部抜粋】
ああ 平和なるこの生活が
なぜに我らを蝕むのか
「遁生」
【歌詞一部抜粋】
くるしみ無き身のむなしさよ
浮かぶ未来は苦しげで…
偶成(Live)
ライブVer.は柔らかな感じですが、アルバムVer.はかなりぶっきらぼうに歌っています。ライブVer.も叙情的で素晴らしいのですが、アルバムVer.のほうが真剣さが伝わってきます。
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