議会議員とはどうあるべきか

2016年11月19日 05時31分33秒 | 議会改革について

 

http://blogs.yahoo.co.jp/umino_takashi/57506182.html

ここから引用させていただきました。

悪貨が良貨を駆逐する議会
―役に立つ地方議会のつくり方―

地方自治は、地域に住むすべての人が幸せになるための必要な環境をつくる仕事で、一番大事なことは税金の集め方、使い方にある。

税金は、「社会的な課題を解決するためにみんなで出し合うお金」と定義される。

社会的な課題は何か、優先順位は何かということは「政治」の中で解決されて行く。

住民は、議員という代表を決めて議会を構成し、行政は地域課題の解決策の選択肢を示すことが仕事になる。



しかし、現状の政治(議会)は自らの利益ばかりに終始し、行政は社会的解決の解決策を「丸投げ」、「横流し」が横行している。有権者の中の多くの人々が政治を忌避し、無関心に陥って、特定の人々のみが幸福になる社会となっているように見える。

これを正していくにはどうしたらよいのかと、各地を取材し続けてきた。若いころは、「首長(市町村長)次第で地域は変わる」と思っていた。しかし、それは、善政を行う「水戸黄門」のようなもので、地方自治に君臨する「議会」の在り方に左右されるということが、分かってきた。「議会の力」はきわめて大きく、議会にこそ自治体のすべてのものごとを決めていく力がある。さらに、行政をチェックする力、政策提言をする力も持っている。地方自治では、議会の関与しない決め事はない。議会の改革こそがきわめて重要だと分かってきた。

しかし、現状はこのことを自覚しない議員が大変に多いことで機能不全に陥っている。

「5年間一度も一般質問が行われない議会」、

「沈黙の議会」、

「オール与党でチェックなしに議決する議会」。

与党となって追認するか、首長と対立して徹底抗戦するか、こうした議会も多いのが現実。どちらも良くない。



こうした議会の現状を歓迎しているのは、首長をはじめとした行政側。都合の良い議員像は、「チャックする力のない議員」、「勉強しない議員」。ではなぜ、このように議会(議員)の劣化が進んだのか。もともと地方議員のレベルは地方の名士といわれている方々で決して高くはなかったが、その当時は地方議会の役割は限定的だった。現在の地方自治の役割は拡大しているが、それと反比例するように、議員の質はさらに低くなってきているというのが現実だ。

議員の劣化に拍車をかけているのは、1、投票率の低下、2、地方自治に関心を持たない層の拡大、3、候補者にろくな人物がいない、という3つの低下原因があり、「負のスパイラル」が起きている。地方議会選挙では、立候補者が少なく、風も吹かず、選ばれないで議員になることが多く、本来の選挙の役目である「ふるい落とす」という機能も限定的にしか働かず、競争原理も働かない。有権者の役目は、まず投票に行くことが最大の責務だ。

議会の大勢は、

1、何もしない議員、

2、自分のためにだけやっている議員、

3、将来のステップアップしか考えない議員、

4、特定の地域や団体のためにやっている議員で、

5、本当にその地域全体の住民のためにやっている議員は圧倒的少数派だ。

 

発言もしない、チェックもしない、提言もしない議員も全く同じ報酬で、怠けものがますます怠けものになるのが議会。

しかも、部分最適を全体最適とするように、地域全体を考えて発言し行動する議員は選挙に弱いという傾向にある。そうした議員を支えるためには、議会内の仕事ぶりが市民に見えるようにすることが大事だ。相模原市では「議員の通信簿」で点数化している。議員の仕事は、本会議や委員会などの公の場で発揮しなければならず、地元の利益のため行政と取引し裏で動くことではない。個々の議員をもっとしっかりと評価してあげることが大事だ。

長い地方議会の取材で高く評価できる議会改革がある。長野県北部にある人口約1万2千人の飯綱町がある。2005年に牟礼町と三水村が合併した町で、合併直後に旧牟礼町の第3セクターが経営危機に直面したことをきっかけに、議会改革が始まる。まず町民アンケートを実施し、その結果、町民の議会不信が圧倒的多数ということが分かる。第3セクターに関する議案を素通りさせていたことを猛反省し、「学ぶ議会」と称して議員学習会を真剣に行った。議員の一人として怠けさせない工夫を凝らし、怠けものは議会にいられないようにした。会議でも自分の意見をしっかりと述べ、沈黙が許されない運営を行った。この中から、「議会政策サポーター制度」、「議会モニター制度」、「議員同士の自由討議」が制度化されていった。現在では議会改革先進議会として全国町村議会から表彰も受け、視察も殺到している。議会は改革することができるという印象だった。

役立つ議会をつくるためには、議会内の改革では不十分で、働かない議員を交替させるメンバーチェンジが不可欠。議会は、外部からどのように批判をしようとも内部から変わることは期待できない。変わらない。

議員に必要な資質は何かということを明確にして、そのような資質を有する議員を議会に送り出していかなければならない。

 

議員に必要な資質は、

1、志、使命感を有する人、

2、住民の話をよく聞き相手に自分の考えをしっかりと伝えることのできる人(コミュニケーション能力のある人)、

3、感度の良い人、

4、一番大事な資質は、いっしょにいて楽しいと思える人(人間性)、だそうです。

そうした人物を探して議会に送り出す努力をして、最後は、自分が出るということも必要になる。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿