めるつばうのおもうこと

めるつはミーム機械としてばうを目指します。

ここちよいサロン

2008-05-20 11:15:10 | めるつばうのおもうこと
神奈川文学館での澁澤展。澁澤は東勝寺橋近く、滑川のみえるところに
ある時期住んでいた。
ここをサロンとし自由闊達な言論の場としたという。
そこに出入りする、人々の多種多様性とある意味での猥雑さには
一つの理想、楽園を垣間見ることができる。

今回の展示は澁澤本人に迫る形かと思う。
幼少の頃の写真、両親、豪邸の大渋沢など興味深い。
また澁澤サロンに出入りしていた人たちとの交流や
その人々から見た澁澤像が浮き出てくる。

金子国義と並んで撮った写真を見ると、小柄な人であったことが
よくわかる。
新婚旅行の出発に見送りに着てくれた三島由紀夫の「盾の会」
の帽子をふざけて被る写真もこんな一面もあったのかと面白い。
また、土方巽の弔辞を述べる映像で初めて澁澤の声を聞いた。
ちょっとトーンが高くて搾り出すような声。
長くしゃべることが苦手そうな感じがする。当然ながら喉の
病気を得たことをその延長線に強く意識してしまう。
トドティアン城の写真、巌谷との筆談、交友関係者。
種村季弘、三島由紀夫、出口裕弘、中井英夫などなど。
そうそう、四谷シモンのポートレートはとても笑った。
タッジョの扮装をしていた。

動物を飼う姿が想像できなかったのだけれど、うさぎの「うちゃ」を
飼っていたそうで、わざわざ「ウチャの家」っていう直筆の表札も
展示してあった。かわいがっていたと思われ、ちょっと嬉しい。

昨年が没後20年で今年が生誕80年という。
一つの区切りの年となるのだろうか。


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