金森穣は「NINA」でTV映像のみを知っていた。
もちろん、ベジャールに師事していたことも知っていたが
今回わたしは初めて彼の公演を観劇した。
以前の作品はバレエとしての要素がとても
色濃かったと思うが、一転して演劇になっていた。
オープニングの作りこみも面白い。
額縁のかなで操られる人形たち。バックには白塗りの顔が
浮かび上がっては消えていく。
幕が上がると、人形に扮したダンサーたちが黒子に操られて
舞台を踊る。歩き方などはまるで人形のよう。
そして黒子のリフトに合わせて高く舞い上がる、舞い回る。
アフタートークで金森が言っていたがこの黒子と人形の
動きがまさにパシンっとあって一つの動作を導き出すのは
とてもエキサイティングだ。
黒子は手先が象徴的に見えている。それ以外は衣擦れと
ぼんやりした輪郭しか見えないが、それでもそこに"在る”
という肉体。
片隅には石膏細工の手。誰の手だろう?と訝っていたが
やはり金森の手であった。
目の焦点を合わさずに、ダンスをするって言うのはとても
大変だろうと推測される。幾度もぶつかるんじゃないかと
思ってしまう場面もこなしていく。
どうしても、わたしは人形というとシュヴァンクマイエルを
思い浮かべてしまう。目に見えない手で操られているわたし。
そういった幻想。この公演では目に見えるけれども(黒子だから)
それと一緒に作り上げていく世界が在るのかもしれないと思った。
それにしても鍛え上げられた肉体。美しいと思う。
アフタートークで金森が”ダンスをしている時は何も考えていない”
という。思考を超えて身に浸み込ませるほどに鍛錬すること
で到達するひとつの地点なのだろう。肉体の可能性。
イメージや考えることはもちろん重要だがそれに頼ってはいけない。
表現するのは肉体だからだ。
不可能と思われてもそれに向かってチャレンジしていくことで
拓ける世界。個性というものは個に付随するがそれを前面に
出してもそれは自分で自分の限界を定めてしまう行為でしかない。
それを乗り越え肉体の限界を越え、精神も、思考も超えたところ
に見えてくるものはなんなんだろう。
金森が言った、”こころが動いたものを創りたかった”というのは
新たな地平を見出した言葉なのかもしれない。
演劇的要素という意味ではどうしても寺山なんかを思い浮かべてしまうが
パフォーマンスという部分ではやはりダンスなんだろう。
これからの金森の動きにも注目してしまいそうだ。
もちろん、ベジャールに師事していたことも知っていたが
今回わたしは初めて彼の公演を観劇した。
以前の作品はバレエとしての要素がとても
色濃かったと思うが、一転して演劇になっていた。
オープニングの作りこみも面白い。
額縁のかなで操られる人形たち。バックには白塗りの顔が
浮かび上がっては消えていく。
幕が上がると、人形に扮したダンサーたちが黒子に操られて
舞台を踊る。歩き方などはまるで人形のよう。
そして黒子のリフトに合わせて高く舞い上がる、舞い回る。
アフタートークで金森が言っていたがこの黒子と人形の
動きがまさにパシンっとあって一つの動作を導き出すのは
とてもエキサイティングだ。
黒子は手先が象徴的に見えている。それ以外は衣擦れと
ぼんやりした輪郭しか見えないが、それでもそこに"在る”
という肉体。
片隅には石膏細工の手。誰の手だろう?と訝っていたが
やはり金森の手であった。
目の焦点を合わさずに、ダンスをするって言うのはとても
大変だろうと推測される。幾度もぶつかるんじゃないかと
思ってしまう場面もこなしていく。
どうしても、わたしは人形というとシュヴァンクマイエルを
思い浮かべてしまう。目に見えない手で操られているわたし。
そういった幻想。この公演では目に見えるけれども(黒子だから)
それと一緒に作り上げていく世界が在るのかもしれないと思った。
それにしても鍛え上げられた肉体。美しいと思う。
アフタートークで金森が”ダンスをしている時は何も考えていない”
という。思考を超えて身に浸み込ませるほどに鍛錬すること
で到達するひとつの地点なのだろう。肉体の可能性。
イメージや考えることはもちろん重要だがそれに頼ってはいけない。
表現するのは肉体だからだ。
不可能と思われてもそれに向かってチャレンジしていくことで
拓ける世界。個性というものは個に付随するがそれを前面に
出してもそれは自分で自分の限界を定めてしまう行為でしかない。
それを乗り越え肉体の限界を越え、精神も、思考も超えたところ
に見えてくるものはなんなんだろう。
金森が言った、”こころが動いたものを創りたかった”というのは
新たな地平を見出した言葉なのかもしれない。
演劇的要素という意味ではどうしても寺山なんかを思い浮かべてしまうが
パフォーマンスという部分ではやはりダンスなんだろう。
これからの金森の動きにも注目してしまいそうだ。