文藝春秋別冊に連載なので進みが遅い。
うっかりすると前の話を忘れていて
あれ?となることもしばしば。
しかし、以前の中山よりは読ませるようになったと思う。
前はほとんど雪崩れ込むような書き方ばかりだった。
今回は醸し出すイメージがきちんと立ち上がるし
人の後ろ姿や匂いも感じることが出来る。
楽しみなのだけれど、さてこのお話しはどこへ流れ着くのでしょう。 . . . 本文を読む
救い。来世の救い。これがずーーっと理解できなかった。
来世と言いながらも現世の延長線上にある、この来世の救いっていうやつ。
私はすごく嫌らしく感じていた。
宗教はその創始者のみが純粋な宗教であって以降は事業と同じである。
そう感じてしまう部分がある。すべてとは言わない。
広めていく方便として地獄とか天国という概念を導入するのはわかりやすいし
人間の原意識、ある意味ではユングの集合的無意識のような . . . 本文を読む
この人の文章はとても読みづらい。
だからといって解りにくくはない。
持って回ったようなくどい、まるでビジネス文書か
哲学書のやさしい版を読んでいるような。
いや、おそらく自分の位置確認をするために単純化し
しかし純度を上げていく作業。
ここにでてくるロリコンという言葉。
”ロリコン”という言葉が市民権を得たのは何時なのだろう?
ナボコフが書いた「ロリータ」は前世紀半ばのものだ。
そこに使われていた . . . 本文を読む
仏典などは読んだことがない。
どちらかというとキリスト教を7年もやっていたから
聖書の方が馴染みがある。
サンスクリット語で書かれたものを漢文になおし
その上で日本語となるとほとんど意味を失っていそうだ。
聖書もその点では変わらないだろう。
と言いつつも、今回読んだものはサンスクリット語からの
訳らしい。
読んでみてこれは結構面白い。
”およそ物理的現象というものは、すべて、実体がないことであ . . . 本文を読む
天外伺朗×瀬名秀明。
トンデモに近い気がする。
言っていることは、面白いし共感できる部分もある。
しかし、天外(このペンネームも何とかして欲しい)の
読んでいる本や、興味の対象など、どーみてもトンデモだ。
アプローチのノリが軽い。ニューエイジサイエンスにはまっちゃった
口なんだろうなとついつい思ってしまう。
しかしながら、いろいろ知っているとは思う。
エックルス、ペンローズ、クリックあたりの話題は . . . 本文を読む
島本理生。
高校生から大学の時は私はどんな感情を持っていただろうか。
少なくともこういった一途な感情は持っていなかった。いつもなにがしかに怒っていた。
ストイックと言えば聞こえが良いがある一定の距離を絶対に侵させない二人。
だからこそ”泉”という主人公とその相対する”教師。
絶対不可侵だからこその絶対侵略。不器用と言えばそれまでだが私はこれを読んで
ハリネズミのジレンマを思い起こした。
寒い冬に . . . 本文を読む
ここのところ忙しくて(かつhtmlいじるのが面倒)本サイトをまったく更新していない。
これではいけないとおもいつつも、blogは楽なものでついつい頼ってしまう。
と言ってもサイトに来る人はほとんどいない。だから安心して放置しているわけではなく
更新したいと思っているのだが・・・。
. . . 本文を読む
神社系が好きだ。
行ったところと言うと・・・。
伊勢神宮
浅間神社(富士山)
熊野本宮大社
熊野速玉大社
熊野那智大社
諏訪神社(御柱祭り観た)
出雲神社
天河神社
大國魂神社
うーん。細かいところは覚えていない。
旅行に行くとついつい観てしまう。
で、今回行ってみた。
草薙の剣が奉納されているとか。
雰囲気的には伊勢神宮に似ているかな。
人が少なかったのでよかった。
あちこちに小さな . . . 本文を読む
わはは。いい、やっぱりいい。
この多重世界。入れ子構造。
意味がない(解らない)オチ
内田百みたいだ。鈴木清順とコラボしたらどうなるだろう?
夢が夢を呼び現実は夢の狭間。メビウスの帯のようにいつまで経っても終点はなく
ぐるぐると意識と無意識を回り続ける、裏表。表は裏。裏は裏。裏は表。
人形は人間で人間は人形でそしてなにかわからないその手に操られている。
頭に常時ついている操り人形用の持ち手(?? . . . 本文を読む
三島の書生などをやっていた人物。『剣と寒紅』で三島と同性愛関係にあったと
自称しているがその真偽は知らない。現在この本は入手が出来ない。暴露本という
位置づけのせいか、内容に問題があったか。三島が福島に抱かれる場面などもある
らしい。
今回『蝶のかたみ』と『バスタオル』を読んだ。
『蝶のかたみ』はゲイの老人の哀しさが主題となる。そして主人公(福島自身)と
その弟、そして家族などの周辺事情が語られて . . . 本文を読む
※ネタバレありかも。注意です。
ソン・ガンホが好きだ。「殺人の追憶」で初めて見たと思うけれど
ちょっととぼけたようなそれでいて悲しい感じがとても気に入っている。
韓国映画を観るとかなり戦争や政治的な革命とかが絡んでくる。
私の知らない韓国史。矛盾や怒りや悲しみなどがたくさんあっただろうに
ソン・ガンホがでてくると、ちょっととぼけた味になってすこしほっとする。
だからといって解決になるわけではな . . . 本文を読む
世田谷美術館。
イスラム美術はその色合いと独特な図柄が楽しい。
イスラムだから偶像礼拝にあたるようなことは避けているが
それでもその図柄は独特だ。
インドやタイなどのような”ど・派手”などぎつさはない。
洗練されている美しさがある。
特に気に入ったのが”キブラ方位計”メッカの方向をいつでもどこでも
指し示すことができる装置なのだけれど真鍮に描かれた刻線が美しく感じた。
しかしながら使い方が全く解ら . . . 本文を読む
「パラサイト・イブ」を読んだとは結構前だ。
最近「デカルトの密室」が面白そうだと思った。
今度読んでみようと考えている。
知とは、脳とは。
アプローチやテーマはとても面白いのだけれど
「パラサイト・イブ」の表現がげんなりした。
テーマとしてミトコンドリアが意志を持つというのは
面白かったけれど、書き方がありきたりというか、なんというか。
表現者としてはいががなものか?
最後の場面も、あーあ、安めの . . . 本文を読む
李禹煥をみた。
余白とは空白とは違う。
無は空とは違う。
この身体はここだけで閉じているのではなく、連続体として存在する。
表現は限定することにより、新たな表現となる。
少しこんなことに身体を浸してみたくなった。
. . . 本文を読む
川上弘美。すこし悲しいような、人のようなものたちの物語。
”海”をキーワードにしたこの話達は、夢のようでもあるが
じっさいの人間達の話に感じる。
ふと、笙野の「金比羅」を思い出した。海より来たりて海へ帰る。
海馬ってセイウチとかトド?でもここの海馬は上半身馬で下半身
魚なのかな。そんなことを思った。
私もじつは人間のような物なのだろう。 . . . 本文を読む