『夜長姫と耳男』坂口安吾。
この作家の作品としては『櫻の森の満開の下』がとてもすき。
そして、この作品も同じ匂いがする。
純真無垢という残酷さ。それは残酷という言葉など寄せ付けないほどに。
この輝きの一点。魅入られるということ。
魅入られてしまえばもう戻る道などありはしない。
ただそれだけのために。存在理由は意思や思考を乗り越えそこへと収斂する。
だからこそ美しく、それ以外のなにものをも必要とし . . . 本文を読む
免許証には性別が記載されていない。
まったく気がつかなかった。
そも、性別は重要なものだろうか?
私はいつも性に拘泥する。
ジェンダー。遺伝子上の性別。表現上の性別。心の性別。
モザイクだ。順列組み合わせ。
それでけでなく、曖昧な部分。
アンドロギュノスを追いかけてみてもそれはフリークスでしかない。
フリークス所以の面白さはあるけれど。
そうだ、『カフェ・ベルリン』を思い出した。
『セラフィタ』
. . . 本文を読む
裏切り者とされる”ユダ”による福音書。
聖書というものはその生成までに外典とよばれる
幾多の福音書等があることはよく知られている。
その中で、ユダ。
ただし、この本はドキュメンタリーであり、福音書の内容には
それほど言及しない。
この本ではこの福音書が数奇な運命をたどり、保存され解読されるまでを
描いており、読み物としてなかなか面白い。
エジプトという国、遺物の扱い、国家と個人の利益。ブラフや裏 . . . 本文を読む
ホックニー。
アーティストとしてのホックニーはよく知っているが、こんな本を著していたとは
まったくしらなかった。
アングル、フェルメール、ラファエロ。幾多の画家が鏡やレンズを使用して
対象をスケッチしていたという。
いくつもの検証。
パースペクティブのずれへの指摘。
たしかに、被写界深度を考えればこのずれや、ボケがでるのは当然だろう。
現在のカメラでもそうだが、かなりの光量を必要とする。スタジオ . . . 本文を読む
愛知だったかのごみタワーのニュースで見て、ついついこれを思い浮かべてしまった。
郵便配達夫。ブルトンが絶賛したという。
ちなみに、ウルトラマンかそのあたりで4次元怪獣ブルトンというのがいるそうだ。
まさかこんな国で自分が怪獣になっているとは思ってみ見なかったことだろう。
もしかすると、これぞ”シュルレアリスムの粋だ”と叫んでいたかもしれない。
言ってみればブルトン=シュルレアリスムであったわけだし . . . 本文を読む
岡本太郎。
ミニチュアは向ヶ丘遊園にある岡本太郎美術館で見ていた。
あそこにある、岡本太郎等身大パネルと一緒に写真がとりたいと
切に願っているが、なかなか勇気が出ない。
もしも、顔ハメがあったら、何を差し置いても行かねばならぬ。
そして、顔をはめて、岡本太郎の魂が降臨するのを待たねば!
モノレールに乗り万博公園を目指す。とすでに、前方左にあの巨大な塔が見えてくる
なんだか、怪獣のようにも見える . . . 本文を読む
言わずと知れたキューブリック。
私はキューブリック作品の中では『時計仕掛けのオレンジ』が大好き!!
以前はレーザーデスクもご購入してしまったほど。(しかしレーザーは壊れたのです)
アレックスに倣って左だけつけまつげをつけた事もあるほど。(ホントは右なんですけどね)
さて、この映画を観たのは、何年前だろう?映画館でリバイバルの時に観た。
どうしても気になるのは月面での歩行。1/6の重力の歩き方はで . . . 本文を読む