人に人生があるように、町内会にも歴史があります。
一人ひとりの人生はそれぞれ違い、町内会も同じ地域であっても、会が違えば千差万別。
この辺りでは、祭りといえばお囃子に、阿亀(おかめ)・火男(ひょっとこ)。
お正月は、笛・太鼓、獅子舞が、恒例の風物詩でした。
それは、昔からこの土地に住んでいる人たちで構成する町内会が自治活動を担っていたからです。
高度経済成長に伴い、宅地開発が進むにつれ、新旧住民の割合が逆転していきます。
そうなると、新住民と旧住民の意見の食い違いが表面化します。
当然、町内会の代表の選出のルールや考え方も違います。
ついに、新住民が町内会を取り仕切るようになると、
阿亀・火男・獅子は、イベントから身を引いてしまいます。
世帯数が多くなった割には、開発年代や販売価格などの相違が、
意見の違いとなり、ついには町内会の分裂、小規模化が進みます。
学級委員を決めるように、役員になりたい人が会の運営を担います。
しかし、そのことが、いつまでも同じ人が役員を務める一方、
さまざまな活動が増えていく中、少人数で対応していくことになり、組織が硬直化していきます。
場合によっては、地域要望を実現するために地方議員の支持母体となるべく、
政争の様相を帯びる町内会も現れます。
そして、役員層の高齢化が進み、世代交代が進まない状況に突入していきます。
旧住民といわれる人たちがやっていたことは、
お互いの絆を深め、コミュニティを確固たるものにし続けること。
東日本大震災を契機に、昨年の長野県北部地震で、
なおさら「自助・共助」の重要性がクローズアップされました。
やはり、昔から引き継がれていた「年中行事」は大切だったことに気づきます。
行政主導で防災訓練をしますが、それは行政が主要部分をコントロールします。
避難命令や物資の補給など、さまざまなことを行政任せにしています。
でも、関東大震災級の地震が発生したらどうなるのでしょう?
平成27年1月1日現在の横浜市の人口は、約370万人です。
一方、東京都は、約1339万人(平成26年12月1日現在)。
どう考えても、首都の救済が最優先です。
従来のどんど焼なら、正月飾りを山のようにして柴灯(サイトウ)を築きますが、
新・どんど焼は、なぜか祭壇らしきものをこしらえます。
従来のどんど焼なら、三つ又の木にダンゴを3個刺したものを持ち寄りますが、
新・どんど焼は、割った竹の先にダンゴを1個刺して配給し、竹は使いまわします。
でも、しっかりコミュニケーションができつつあるようです。
すべて、町内会が用意し、告知に従い住民が集まり、一つの火を囲み、平等に同じものを食べます。
これって、災害時の役割、行動と似ていませんか?
動員にあたった住民がしぶしぶ出てくる防災訓練よりも、
よほど役に立っているのではないでしょうか?
1月18日(日)に行われた、ちょっと他には見当たらない、独特のどんど焼でした。
おしるこ(見出し写真)は、ダンゴが2個入って、50円。
富士山を被写体として、定点観測中です。
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