散歩の閑人:メタ坊っちゃまのYOASOBI?

若気の至りが過ぎてメタボでも、世遊びは辞められない。

あたらしい、英雄はじまる。

2015年02月11日 | ★メタ坊徒然草

KDDIの携帯電話事業「au」は、
「access to u(you)~あなたに会う(au)」という意味が込められているのだそうです。
今回は、映画ではなく、テレビCM。

2007年6月からCM放送されたソフトバンクモバイルの「白戸家」シリースは、
ソフトバンクモバイルの看板CMになっているのに比べ、
auのCMは、発売する商品のたびにキャラクターが変わっている傾向があります。

今回は「あたらしい、英雄(au)はじまる」というコピーのもとに、
日本人になじみ深い、
浦島太郎、桃太郎、金太郎 の 3太郎で構成するCMになっています。
ただ不思議なのは、浦島太郎が英雄のカテゴリーに入るのかどうかで、
CMの中では、3人とも、言葉がぞんざいで、軽々しい今風の若者の雰囲気を持ち、
中でも、浦島太郎は、慎重さに欠ける「ダメ男」役を受け持っているようです。

桃太郎は、だれもが知っている物語上の架空の英雄です。
いつ頃からある物語か定かではありませんが、桃は、古代から邪気を払う霊薬とされるもので、
桃から生まれた桃太郎は、まさしく邪気(鬼)をやっつけるヒーローに違いありません。
長じて、村の脅威となっている鬼を退治に出かける話ですが、
鬼のすみかは、本来鬼門(丑寅うしとら=東北の方角)にあるゆえに、
鬼は、牛のように角が生え、虎のパンツをはいています。
キビ団子を与えることによって、
猿鳥犬(さるとりいぬ申酉戌=西の方角)を家来にして行くのですが、
西の島あるいは山を占領している鬼を平らげて、
宝と極楽浄土(仏教で西にあるとされる)を取り戻すという訳です。

浦島太郎は、やはり架空の物語ですが、
古代の文献にも書かれ、全国各地に「浦島伝説」が残っています。
子どもにいじめられているウミガメを助けたことから、
お礼に現れた絶世の美女・乙姫に誘われて海底の竜宮城に行き、
言葉では言い尽くせない「お・も・て・な・し」を受けたのち、
開けてはならないという玉手箱を土産にもらって帰ったところ、
海底での数日が、現実には数十年の時を経ていて、
つい玉手箱を開けてしまったら、
現実の年齢の老人に姿が変わってしまったという話です。
島国の日本には、ほかに「徐福伝説」や「八百比丘尼伝説」など、
海にまつわる伝説が全国各地に残っています。
共通するキーワードは「不老不死の妙薬」なのですが、
多分にこれは、海に出て遭難し、数十年の時を経て、
本人もしくは、その子孫が郷里に戻ってきたことに、
起因しているのではないかと、メタ坊は考えています。
色や欲に勝てない俗でダメ男の浦島太郎を、
auがどのようにCMで「英雄」に仕立てるのか楽しみです。

金太郎は、童謡に歌われた足柄山を遊び場所にしている怪童です。
平安時代中期に藤原道長に仕えた武士・源頼光が、
1018年3月、後一条天皇の勅命を受け、摂津の大江山に夷賊討伐を行った際、
随行した「頼光四天王」の一人といわれています。
これが「酒呑童子伝説」となり、
さまざまな英雄譚に派生して、全国に広まりました。

さて、auのCMでは、桃太郎編にあたり、
猿鳥犬がキビ団子のあるときだけ子分となって就いてくると語られます。
猿と犬は強いし賢いが、鳥が雉なのはナゼ?ということで、
金太郎の熊と子分を取り替えようと提案が出されます。
浦島太郎編では、竜宮城へ行こうということで、
浜辺で海亀を探しますが、手の平よりも小さい亀でした。
これで行けると信じる浦島太郎に、
「だから彼女もいないし、乙姫にも騙される」と桃太郎が指摘します。
そして、桃太郎には彼女がいて、かぐや姫であることが判ります。
金太郎編では、桃太郎も浦島太郎も話がメジャーでうらやましいという金太郎に、
「熊に相撲で勝つなんてスゴイ」と褒めるのですが、
「熊はすぐ手を着くから誰でも勝てる」と本音をいわれ、返す言葉がありません。
そこで、新しい話を作ろうということになりました。

このあと、
おばあさんがナタで桃を「パッカーン!」って割ったとき、
少しナタが桃太郎に当たったものの、
おばあさんが「ごめん、ごめん」と謝るので「いいよぉ」と許した話。
金太郎の雉と熊を取り替えようという提案に、
桃太郎は、雉は子だくさんでキビ団子が必要な家庭環境だからと躊躇する話。
キビ団子は、猿鳥犬それぞれに1本ずつ渡すという桃太郎に、
浦島太郎はケチだといい、
何にでもセット料金があるのだから、3匹に1本でいいと金太郎が提案。
金にうるさいので金太郎の金は「かね」と呼ぼうという話。
玉手箱を開けて白髪頭になった浦島太郎が走り寄り、
箱から出てきたスマホに「未来感、ハンパねぇ」といいますが、
桃太郎ともどもそのスマホが何なのかわからない話。
と続いています。

これが今だけのCMにならずに、
童話つながりで「白戸家」のようにロングランのCMになって欲しいと思います。


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