散歩の閑人:メタ坊っちゃまのYOASOBI?

若気の至りが過ぎてメタボでも、世遊びは辞められない。

雑踏

2023年09月21日 | ★メタ坊徒然草

同僚が引越しをするというので、荷造りと荷運びの手伝いに行きました。
それにしても、入居してから2か月で「また引っ越すなんて何かあるのかな?」と思いながら、食器やら本やら次々と梱包していきます。
布団をまとめに寝室に移ると・・・。
「この部屋で寝ていると、次々と人が通り過ぎていく感じがするんだよね。」
「ひとりじゃなくて、何人も?」
「あるときには、人の顔をのぞきこんでいる顔があって、それが日本髪を結った女の人で着物を着ていて、手に杖を持っているんだよ」
「日本髪?ひょっとして昔の人かな?」
「金縛り状態でからだはピクリとも動かない。目を開いているのか閉じたままなのか意識がないんだけど、江戸時代の浮世絵にある旅人が行ったり来たりしていて、巡礼のような人もいるんだよね」
「だから、急に引っ越すことにしたという訳なの?!」
「いや、単なる夢だと割り切っていたんだけど、ついこの前、顔やら手やらただれて、膿とかウジとか体の傷、穴という穴から噴き出した人が倒れ込んできてね。そのときばかりは、ギャーって、飛び起きたんだ。で、このときばかりは引っ越そうと・・・」
そういわれてみると、この寝室、スタスタスタと小さな足音が、それも一人ではありません。
*****
メタ坊自身、神社仏閣が好きで、旅先や出張先で、よくお寺などに立ち寄ります。
ある有名な門前町で、むかしながらの茶店に入り、おだんごにお茶を飲みながら店内を見まわすと、奥の古びたテーブルに、今食べた「お団子セット」が二つ置いてあるのに、お客さんらしき人がいません。
「あのテーブルは?」と店主らしき人に聞いてみると・・・。
「この門前町は、江戸時代から繁栄しているところで、店の前の参道には今の参詣人も歩いているけれど、江戸時代からのいろんな人が今も参詣に来ているんだよ」
「どういうことですか?」
「ここは札所巡りの最後の方のお寺さんでしょ。だから、札所巡りの途中で満願を果たせずに死んでしまった人の霊が、死んでしまったことを理解できないまま、いまだに行き来しているらしくて、その人たちがうちの店で休んでもらえるようにしているのが、あのテーブル・・・」
*****
その話を思い出しました。
同僚のアパートは、札所巡りの有名なお寺の近くにありました。
調べてみると、関東大震災の折、参道が付け替えられ、このアパートはむかしの参道の上に建てられていました。
同僚の部屋の寝室は、その参道の真上に位置していたのです。

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はじまり・・・『避暑って、何?』
第1話・・・・『松林のキャンプ』
第2話・・・・『お伊勢まいり』
第3話・・・・『デジカメを忘れた!』
お休み・・・・肩が痛くて手が上がらない『夏休み』
第4話・・・・『スキー天国』
第5話・・・・『スキー天国 その2』
第6話・・・・『スキー天国 その3』
第7話・・・・『穴は、撮るもの』
第8話・・・・『ラグビーしようぜ!』
第9話・・・・このページ


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