区役所に行ったら、こんなパンフレットがありました。
「国勢調査100年のあゆみ」
今から100年前の大正9(1920)年10月1日に、
国勢調査が実施されました。以後、5年ごと。
日本が開国し、維新を経て、明治政府は富国強兵を推し進め、
欧米列強と肩を並べる、アジアの雄をめざします。
制度は欧米に倣う、その一つが国勢調査だったのですが、
日本には、戸籍(江戸時代は宗門人別帳や過去帳)があるため、
莫大な費用で人口調査をする必要がないと実施は見送られました。
しかし、日清・日露戦争、第一次世界大戦と近代戦を体験すると、
欧米諸国と肩を並べるには、
国力・生産力・兵力の把握が重要であることに気づきます。
構想50年、法律ができてから18年後、
実施にあたり、広く国民に宣伝し、
お祭りのようにして盛り上げていきます。
現在は基準日10月1日の常住地をもとに記入する方式ですが、
終戦前までは、10月1日午前零時にいる現在地で把握する方式でした。
このときつくられた「国勢調査唱歌」の8番の歌詞には、
『調査する日が近づかば、成たけ旅行はせぬものぞ
火の元用心第一に、伝染病にも気をつけよ
是等の禍起りなば、調査の妨げ如何計り』
とあり、隔離あるいは外出禁止同然のありさまで、
繁華街からは人影がなくなったといわれています。
この日、午前零時に煙火・半鐘を打って実施を知らせるのですが、
折から台風が関東に襲来し、柏尾川(今の戸塚区)が氾濫。
避難を促す半鐘を打ち鳴らしますが、
国勢調査実施の鐘と誤認した人の多くが犠牲になりました。
また、パンフレットには、
世の中から隠れ住んでいるような山中の村に、
国勢調査員が入り、ここは何かと尋ねたところ、
平家の子孫が暮らす村で、
「源氏は今どうしてますか?」と聞かれた。
というエピソードがありました。
総務省統計局のホームページ(ここをクリック!)から、
パンフレットをダウンロードできます。
また、解説を講談で聞くこともできます。
第1回国勢調査の詳細は、
「日本国勢調査記念録」として全3巻というかたちで出版されました。
1巻,2巻は全国一律、3巻は各県ごとの内容になっています。
国立国会図書館デジタルコレクションで閲覧できます。
第1巻 https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/967743
第2巻 https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/967744
第3巻(神奈川県) https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/907035
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なぜ、急に感染者数が増えているのか?
ダンミツならぬ、3密に行って罹患した人も多いようですが、
3月20日春分の日、
春彼岸の墓参りで親戚が集まったこともあるし、
治療や介護にあたっている人への2次感染のほかに、
帰国者による感染があるのではないかと仮説をたてました。
発病の兆候がない帰国者は2週間自宅待機のはずで、
諸届の届出期間猶予措置はあるものの、
今はちょうど年度の切替時期で、
子どもの就学や病気になったときの健康保険証の取得のための
住民登録などは、心情として猶予している余裕はありません。
窓口で聞いてみると、案の定、アメリカやヨーロッパなど、
さまざまな帰国者が手続に来ているのだそうで、
ほぼ手続に1時間ほど窓口にいる割に、
待合席には区分がなく、多くの人でごった返していました。
こうなると、水際作戦ではなくて、
高齢者の多い医療機関・介護施設でどう籠城するか、
重症・中等症患者をどこで治療するか・・・
過去の伝染病・感染症の歴史には「少子高齢化社会」の記録がありません。
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