散歩の閑人:メタ坊っちゃまのYOASOBI?

若気の至りが過ぎてメタボでも、世遊びは辞められない。

ヒメアカタテハ

2009年12月03日 | ★デジカメタ坊写真帳
秋に咲く野菊は、ノギクという種類なのだろうか?
調べてみると、ノギクという名のものはなく、写真の野菊は、リュウノウギク若しくはノジギクという名のようだ。
めっきり寒くなったところに、野菊に飛び回る蝶を見つけた。
蝶は「ヒメアカタテハ」という。

野菊といえば、伊藤左千夫の「野菊の墓」が有名で、夏休みの課題図書か何かで呼んだ記憶がある。
「後の月という時分が来ると、どうも思わずには居られない。」
という文ではじまる。
後の月は、旧暦9月13日の夜の月。
中秋の名月といわれる旧暦8月15日のほぼ一月後に月を愛でる日本独特の風習で「十五夜」に対して「十三夜」と呼んでいる。
14・15日の秋祭りが始まる前、秋の実りを一斉に収穫するために、村でも噂になっている13歳の政夫と2歳年上の従妹・民子が綿摘みに出かける。
その1日のできごとを回想する中で、綿畑へ行く道すがら、政夫が野菊を摘む。
「私が野菊の生まれ変わりと思えるほど野菊が好き」と民子がいうと、
「民さんは野菊のような人だ。僕も野菊が大好きだ」と政夫が告白する。
17日、政夫は中学へと進学し「僕は2歳違いのことは気にしていない。そのときを待ってくれ」という内容の手紙を民子に残す。
2人の仲を心配した政夫の母と嫂、民子の実家の説得で、民子は資産のある家に嫁に出され、流産し、産後の肥立ちが悪く他界する。
息をひきとった民子の手には、政夫の写真と手紙が握られていた。
という話だった。

自由恋愛など御法度。
結婚相手ばかりでなく行動のすべてを親が決めた時代背景があることを理解しなくては、この小説の良さはわからない。
しかし、初恋の相手が死んでしまい、その思いを引きずるというのは「世界の中心で愛を叫ぶ」など一連の恋愛小説お決まりパターンである。

民子の墓の回りに野菊が咲き誇る。そのシーンに「ヒメアカタテハ」が飛んでいるともっと印象的だったかもしれない。

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