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腐敗した政治を防ぐ目的のため、政治資金規制法や公職選挙法で、企業からの政治献金を禁じたり、政党助成金を出したりした訳だが、いっこうに腐敗は終わらない。自分たちを規定する法律を自分たちでつくるのだから、穴だらけなザル法といわれてもしようがない。麻生総理が「ザル法なら捕まりっこない」といったが、杜撰な管理があった上で、法解釈をその照準に併せて、捕まえたり、捕まえなかったりしているだけなのだから、カゴの穴が小さくなってザルになったところへ、金魚すくいの破れかけのポイでチョコッとすくい上げただけのことだ。
政治団体とか政党の地方支部だとか、議員本来の職務から遠い存在はスタッフまかせだといっているが、そのとおりのことを先日見聞きした。
昨年末、ある料理屋で忘年会があり、店の入口のノレンをくぐろうとしたとき、人の背中を押すように割り込んできた恰幅のよい背広にバッジをつけた、いわゆる秘書風の男がやにわに「名と金額の入っていない領収書を12枚くれ」と店の主人を呼び出して書かせていた。「日付は各月末日でスタンプしろ」とまでいう。よっぽどの常連か権力関係がある人でない限り、これほど居丈高な振る舞いはできない。すると、ある地位の人だろうし、年末に収支報告をするものに使う領収書なのだと想像できる。
借金だらけでツケが後からやってくる定額給付金で満足させようとする人が、定額給付金に助成金、献金、議員年金‥‥金バッジと「金」まみれ。怒りを通り越して、うらやましい限り。