決して忘れることのできない「3.11」が、今年もやってきました。
春の火災予防週間に合わせて、勤務先で消防訓練をすることになり、
なぜかメタ坊が消防訓練の計画を立てる役目を負う羽目になりました。
それも、この建物ではこれまでやったことのない「長時間停電時における消防訓練」です。
大学浪人時代に高校の夜間警備員のバイトをしていたこともありますし、
消防隊員の友人から何かにつけて話を聞いていたので、
とりあえず引き受けてみました。
だからといって、基本的なことをおさえておこうと、
横浜駅西口から徒歩10分のところにある「横浜市民防災センター(ここをクリック!)」に行きました。
むかし、ここには「通産省工業技術院繊維高分子材料研究所」がありました。
<写真:1977年 人工臓器 6巻4号 から>
もともとは、絹織物の品質向上のための調査研究を行う施設・絹業試験所がありましたが、
それは大正12年の関東大震災により中区から神奈川区沢渡に移転したものです。
大正14年には農商務省が農務省と商工省に分離し、商工省の管轄になったことから、
人造絹糸や人造繊維の研究にシフトし、昭和54年に筑波研究学園都市に移転しました。
ところで今、透析治療の中断で患者死亡というニュースが注目を集めていますが、
その透析に用いる高分子繊維の開発研究もしていたようです。
<沢渡中央公園建設の碑>
ここに公園をつくり、防災センターを建てたのも、
県下第一の商業業務集積地・横浜駅西口における災害時に備えたことによります。
特別高度救助隊が配置されているのもそのためです。
さて、入館してみました。
受付嬢が「体験されますか?」と聞いてきます。グループでも、1人でもOKだそうです。
おじさんは、つい嬉しくなってしまいそうですが、メタ坊は辞退して自由見学のみにしました。
通常は、案内の方の誘導に従って、まず地震シミュレーターで体感体験です。
火災シミュレーターで、台所の火災発生を想定した消火器訓練です。
そのほかにも、さまざまな体験ができます。
また、多くのパネルなどを使って、わかりやすい解説がなされています。
防災のコツや豆知識の表示もあって、とりあえずダンゴムシになりました。
ところで「長時間停電時」とはなんでしょう?
大地震や風水害により、電気供給が長時間にわたりストップすることをいいます。
たいがいのビルには、消防設備があって、熱・煙探知機や火災通報設備、
スプリンクラーや防火扉、屋内消火栓が設置されていますが、
そのほとんどは電気的な仕組みになっていて、停電が起こると作動しなくなります。
そのために、自家発電が自動起動したり、蓄電池に切り替わって、
火災による停電が起こっても、しばらくは消防設備が機能するようになっています。
しかし、それもほぼ1時間もすれば発電も蓄電池もダウンすることになるという訳です。
通常の消防訓練ですと、火災発生を知らせるベルや音声が鳴り響くところから始まります。
しかし長時間停電時では、誰かが叫び知らせない限り、火災の発生を知ることができません。
実際訓練を開始すると、みな、いつどこから訓練が始まったのかわからず、
じっと待機したままとなり、次に火災発生場所を確かめることもなく、
てんで勝手に避難し始める状況となりました。
便利さに慣れるということが、どれほど危険なことなのか知ることができました。
メタ坊が小さいころ、バケツをたたいたり、火事だ~!と大声を出したことを思い出しました。
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