定額給付金

もらうの、もらわないのと、どのチャンネルにしても、麻生総理の言葉尻を捉えるのに忙しい。とにかく、もらえるものはいただくのが人の常であって、武士は喰わねど高楊枝なんてことは、よほどの信念がなくては全うしえない。戦後、ヤミ米は食わないといって餓死した判事がいたが、ある意味ではコンプライアンス（法令遵守）を徹底した公務員の鑑であった。しかし、死を賭せば尊敬される時代ではなかったのが悔やまれる。
歳費に調査費と湯水のように税金を使い、閣僚に至っては、海外に豪遊しつつ、資金援助とかいって億単位で金を積んでくる国会議員の中で、景気対策、内需拡大のために、全財産を自動車の購入にあてたという剛の者を聞かないのは、天下国家を論ずるに値しない「政治屋」が多いからだろう。それも、使い道を聞かれて「メシでも食べようかな」という発言自体、普段、タダ飯ばかり食べているから、そういう発想が出てくるのだ。
定額給付金が景気浮揚に効果があるかといえば、その使い道次第ともいえるけれど、くだんの地域振興券のときを考えれば、景気への刺激はそうそう期待できたものではない。あのときも公明党の発案だった。要は組織票固めのためのバラマキにすぎないから、ちっとも景気になんか反映しない。どちらかといえば、その金で、組織のグッズかなんかを買ったから公明党は景気が良かった。
麻生氏の言葉を借りれば、国民は２階層に別れる。「下々」と「高額所得者」だ。下々は「貧乏人」と「それ以外」に分かれるとすると、定額給付金の使い方は、貧乏人は即生活費に使い、それ以外は貯蓄に化ける。そして、高額所得者はメシなのだ。どこに、自動車や住宅を買うヤツがいると断言できるのか？やはり、安定した職業に就いて、我が子の将来のために貯蓄ができ、病気になっても安心して医療にかかれ、リタイヤ後は年金を受け取れるという安心できる未来、信頼できる社会があるからこそ、高い買い物をしようとするのであって、地方を含めた議員大先生様のように、当選しさえすれば、たいした議論もせず、のうのうと大金が懐に転がり込む連中の考えることと「下々」が同じ購買活動をするなんて考えるのは大間違いだ。矜持をただすべき１億円以上の所得者は、即自動車を買おう！１台二百万円なら50台買える。