定年オヤジの備忘録

趣味や興味あることを適当に備忘録として残すブログ

定年になったので、ブログタイトルも変更しました。

園善博 頭がよくなる魔法の速習法

2010-06-06 23:23:46 | 勉強法
年間500冊の読書を可能にするという言葉につられて、思わず衝動買いをしてしまった(笑)
但し、単なる速読術ではないという部分は、他の本とは異論を唱えている。
速く読めるだけでは、本当の勉強ではないという部分は確かにその通りと思う。
同じ分野の本をまとめて読む場合に確かに2冊目以降は、速く読めるようになっている経験があるので納得できた。



・速習法は「知識の定着」にもっとも適した方法
 速習法は「本を速く読む」ことだけを目的とした読書スキルではない。速習法の目的は「本の内容をしっかり理解して、知識を定着させる」ことである。
「理解する速さと、深さ」に重きを置く読書スキルである。
 どんなに速く読めても、内容を理解していなければ「ただ文字を目で追っただけ」これでは「読んだ(わかった)」とは言えない。

・たくさん読まなければ、速く読めるようにはならない
 速習法は、ひと言でいうと「知識を積み上げていく読み方」である。
 「速く読むからたくさん読める」というより、むしろその逆で「たくさん読むから速く読めるようになる」という考え方である。
 たくさん読むと知識が増える。知識が増えれば、結果として速く読めるようになる。
 知識が増えれば、すでに持っている知識と照らし合わせながら、確認(または推論)していけばいいだけである。新しい知識を覚えていく必要がない分、速く読むことができる。
 速習法では、この「すでに持っている知識」のことを「既有知識」と呼ぶ。

・既有知識が増えると、新しいことを学びやすくなる
 本をたくさん読み進めるうちに「知らないところ(新しい知識)や、知りたいところだけ時間をかけて読めばいい」ようになり、その結果として「本1冊読み終えるスピード」が格段に速くなる。

・トップダウン処理とボトムアップ処理を組み合わせ、学習効果を高める
 知識の定着をうながすのは「既有知識」の量である。
 勉強したい分野の「既有知識」がない(または少ない)場合は、初めにその分野の全体像(基本的・初歩的内容)を把握する必要がある。
 先ず、入門書など「わかりやすい表現で書かれた本」を手に取って概要を把握する。
 この概要を把握するアプローチのしかたを、認知心理学では「トップダウン処理」と呼ぶ。
 勉強した分野に関し、ある程度概要が把握できたら(既有知識が増えてきたら)、今度は詳細に知識を学んでいく。「必要にして重要なところ」を部分的に読みながら、専門性を高めていく。このように詳細を把握するアプローチのしかたを、「ボトムアップ処理」という。
 「トップダウン処理」に適した読み方 → スキミング・リーディング
 「ボトムアップ処理」に適した読み方 → ターゲット・リーディング

・ビジネス書を読んでも挫折してしまう理由
 難しそうなビジネス書を読もうとしても途中で挫折してしまう理由も「既有知識の量」に関係している。自分の中に知識が足りないため、いくら読んでもわからない。
 「難しい本を読んでいる」という自己陶酔に浸っていても意味はない。余計なプライドは捨てて、何を目的に本を読むのかを明確にして、足りない知識を補うために入門書から読んでいく。

・読書は大人の知識力テスト
 本をたくさん読むことで、
 自分に何ができて、何ができないのか。
 自分は何を知っていて、何を知らないのか。
 自分はどのような「既有知識」を、どれくらい持っているのか。
 が明らかになる。
 これは、自分の「適性」や「知識量」を客観的に評価する手掛かりになる。

・知識が増えれば増えるほど、「発想力」が豊かになる
 「発想力」は「既有知識」の量と比例する。「発想力」とは、ゼロ(無)から100を生み出す力のことではなく、「100持っている既有知識や価値観の中から、最善のものをピックアップする能力」や「既有知識を組み合わせて、いろいろな方向から推測する力」のことである。
 発想力はセンスではなく、知識の量である。

・「疑似体験」を積んで、未来の自分をイメージする
 いろいろなジャンルに興味を持ち「あれもこれも経験してみたい」と望んでも、時間的制約があり、すべてを経験できるわけではない。しかし、本を読めば「疑似体験」することができる。
 経営者、トップセールスマン、アスリート、億万長者、タレントでも、その分野に関する本を読むことで、彼ら彼女らの疑似体験ができる。疑似体験を重ねることで新しい世界を知り、考え方や興味の幅が広がる。

・「何のために本を読むのか」を明確にする
 何のために勉強をするのか。
 どのような夢をかなえたいのか。
 何のためにこの本を読むのか。
 この本から、何を学ぼうと思っているか。
 どんな方法で本を読んでいくのか。
 この本を読み終えたとき、自分は何を得られるのか。

・本を読む前に「プリペアードマインド(準備された心)」をセットする
 プリペアードマインドを設定するための4項目
① 目的(目的と報酬)
② 条件(環境と能力)
③ 欲求
④ イメージ
簡単にいうと、「目的を明確にして、それを達成するための条件を整えるとともに、達成したいという欲求を強く持ち、うまくいった自分をイメージする」ことである。

・勉強前に「目的」「目標」「手段」を考えておく
 「目的」とはゴール、「目標」とは道しるべである。
 例えば、富士山の頂上を目指す場合、「頂上に立つこと」が「目的」で、「山小屋」が「目標」になる。また、クルマで東京から大阪に行こうとするなら「大阪に着くこと」が「目的」で、高速道路のサービスエリアが「目標」である。
「目標」を決めたら、具体的な「手段」を講じる
 
・「目的」は欲求の上に成り立っている
 「目的」は「すべきもの」ではなく「したいもの」である。
 「すべき」という言葉からは「自由」が感じられない。
 目的は明確にしながらも、その目的が「自分からやりたいと思える目的」にする。

・目的を達成した自分をイメージする
「イメージする力」が弱い人は、「その人の持っている価値観」や「判断基準」がイメージ力を弱くしている可能性がある。
メンタルロック(頭のこわばり)が自由な発想を阻んでいる。
① 正解はひとつ
② 論理的でなければならない
③ ルールにしたがえ
④ 現実的に考えよ
⑤ あいまいさを避けよ
⑥ まちがえてはいけない
⑦ 遊びは軽薄だ
⑧ それは私の専門外だ
⑨ バカげたことを考えるな
⑩ 私には想像力がない

・「プライミング効果」を利用すれば、本は速く読める
 「プライミング効果」とは「先行する刺激の処理が後続する刺激の処理に影響を及ぼすこと」である。わかりやすくいうと、「一度見たものは、二度目は見やすくなる」ということである。予習してから勉強した方が、理解度が高まるのと同じである。
 人間の脳は、一瞬でも見聞きした情報を「プライミング記憶」として記憶している。(但し、無意識のうちに記録した情報なので、半永久的に記憶として残るわけではない)
 本を読む前に、ページをパラパラとめくり、「目的」とかかわりのあるキーワード(先行刺激)をあらかじめ見付けておくようにすれば、プライミング効果を更に引き出すことができる。(キーワードを決められない場合は、本の表紙や帯に書かれている言葉をキーワードにしてみる)
 →本をいきなり読み始めるのではなく、先ずパラパラとめくってみる。
  スピードの目安は、1ページ2~5秒。200ページ程度の本なら、1冊10分ほどで終わる。

・本番レースの前には「下見」をする
 プライミングは、本の下見をする感覚である。先ず下見をして、「だいたいこの本には、
こういうことが書いてあるな。流れはこういう感じだな」ということをつかんでおく。
そうすると、意外なほど2回目に読む時の吸収率は変わってくる。

・本は「既有知識のレベル」に合わせて購入する
 本の選び方は、「自分の知りたいことが書かれている本」「目的達成に必要な情報が書かれている本」「知識の不足分を補える本」を選ぶことが大前提であるが、だからといって「既有知識のレベル」に合ったものでなければおもしろくないと感じてしまう。
→本の選び方
① 目次を読む
わからない単語がたくさんある本、本の流れがわからない本は選ばないこと。
② 「前書き」と「後書き」を読む
③ 著者の専門分野にこだわる
④ 図書館で借りず自分で買う
本は1回読んだら終わりではない。内容を振り返ったり、復習する時など、「同じ本を何度も読む必要性」がある。特に「速習法」は「分散型読書法」が基本であり、本を分けて読むことになるので、何度も読むことになる。

・目的や既有知識のレベルに応じて、読み方を使い分ける
① スキミングリーディング(概要把握)
全体を広く浅く理解する時の読み方。
② ターゲットリーディング
部分的に深く理解する時の読み方。
③ トレーシングリーディング
読み飛ばしはしないで、全ページ読む場合に適した読み方。
「速習法」は、この3つの読み方を「既有知識」の量や目的に応じて使い分けるのがポイントである。

・知っている知識がなければ、大まかなところから始める
「既有知識」が無い時は、専門用語を知らなくても読める「入門レベルの本」から読み始めるようにして、その分野の「概要を把握」しなければならない。
例えば、英語の構文がわからない人は、TOEIC対策の参考書を読む前に、中学校の英語の教科書までさかのぼった方が得策かも知れない。そして、中学、高校とレベルを上げ「既有知識」を高めてから参考書に取りかかる方が理解度が高くなる。
「速習法」を身につけたからといって、既有知識のない本を速く読むことはできない。

・スキミングリーディングで概要把握
目次は「本の内容(見出し)を順序立ててまとめたもの」なので、目次を読むだけで「この本にどのようなことが書いてあるのか」を大まかに把握することができる。
目次は、頭から読むのではなく「はじめに章タイトルをすべて読み、次に中見出しをすべて読み、最後に小見出しをすべて読む」という順番で読む。
そして、見出しをすべて書き出して、自分仕様の目次を作る。
見出しを書き出す時は「初めに章タイトルをすべて書き出し、次に中見出し、最後に小見出しを書き出す」のがポイントである。本を行ったり来たりしながらタイトルや見出しを拾うことになるため、プライミングをかけることにもなる。
こうして、タイトルと見出しを書き出すためのノートを「リーディング・リマインドノート」と呼ぶ。

「プリペアードマインド」をセットする。
① 何のために、どんな知識を得るために本を読むのか、目的を設定する。
② この本を読んだ時、どのような知識が得られるのかを推論・イメージする。
③ 本を読んだことにより、どのようなメリットがあるか、どのような報酬が得られるのかを考える。
④ 「プリペアードマインドシート」を記入する。

パラパラ読みで「プライミング記憶」を刺激する。

スキミングする(目的ごとに数回繰り返す)

・概要把握する時は、同じ分野の本を「4冊以上」読む
 1冊の本だけでは、一人の著者の「偏った意見」しか得ることができないかも知れない。知識の幅や奥行きを広げるためにも、概要把握は、その分野に関する本を「最低4冊」(できれば5冊)以上読むこと。
 1冊目は既有知識が無いため、速く読むことはできない。
 2冊目は、1冊目で学んだ既有知識を踏まえて読むため、共通点や相違点に気付くことができる。
 3冊、4冊、5冊と読んでいけば、知識がどんどん広がり、読むスピードがどんどん速くなっているのが実感できる。
 既有知識が積み上がっていけば、「これはもう知っている内容だから読み飛ばそう」「これは新しい知識としてきちんと覚えよう」と情報の取捨選択ができるようになる。

 理解した要点を書き出し、ノートに「体制化」する。
 スキミングリーディングで理解した要点をノートに書き出すことにより、記憶に残りやすくなる。また、ノートを読み返せば、内容を思い出すことができるので「復習」にも役立つ。

・新しい知識は「自分の知識」と関連づけると記憶に残る
 認知心理学では「既有知識」との関連付けのことを「精緻化」と呼ぶ。
 精緻化は、部分的に深く理解したい時(詳細把握したい時)に有効である。

・ターゲットリーディングで詳細把握
 「質問」×「答え」をセットにして「エピソード記憶」を使う。
 著者と読者を「先生と生徒」に見立て「対話するように読む」のがポイントである。

・わずか4時間で、覚えたことの半分を忘れてしまう
 「1カ月以内」に復習しないと、記憶は捨てられてしまう。
 新しい記憶は、一度脳内の「海馬」に入って整理され、その後で「大脳皮質」に蓄えられる。「海馬」は入って来た新しい記憶をふるいにかけ「記憶する必要のあるもの(脳が重要だと判断したもの)」だけを「大脳皮質」に送り込む。つまり、海馬で重要と判断されなければ、その情報は捨てられてしまうのである。
「海馬」に情報が留まっていられる期間は、長くても1カ月である。
 
 復習のタイミング
 1回目の復習 → 学習した翌日
 2回目の復習 → 学習した日から1週間後
 3回目の復習 → 学習した日から2週間後
 4回目の復習 → 学習した日から1カ月後
 ※1カ月以内に読み返さないと読まなかったことと同じになる。

 一度覚えたことは、2日間で70~80%も忘れてしまう。しかし、繰り返し復習すれば、忘れるスピードが遅くなることもわかっている。
 「忘れた」からといって、一度覚えた単語が48時間で脳から消え去ったわけではない。単に思い出せなかっただけのことである。
 したがって、復習を繰り返すごとに、脳が「この単語は重要だ」「思い出せる状態にしておこう」と判断するようになり、その結果、忘れにくくなる。

・形式知と経験知を循環させる
 「形式知」とは、本を読んだり、人から聞いたりして得た知識のこと。
 「経験知」とは、事にあたってみて、その結果として得られる知識のこと。
 頭と体の両方を意識的に使うことである。
 特に「経験知」は「できる、できない」がはっきりするため、自分の実力を客観的に評価する手掛かりにもなる。

・「エピソード記憶」に働きかければ、記憶に残りやすい
 「エピソード記憶」とは、特定の時、人、出来事にまつわる記憶のこと。個人的な経験に基づく記憶。年齢を重ねるにつれて強くなる。
 「意味記憶」とは、誰にでも共通する「知識としての記憶」のこと。一般的に「あの人は記憶力がいい」という場合は、「意味記憶がいい」ということである。年齢を重ねるにつれて弱くなり「丸暗記」がしにくくなる。

・「聴覚記憶」と「視覚記憶」を連結させ、記憶力を高める
 「視覚記憶」が使えないと、イメージ力が弱くなる。
 「視覚記憶」を鍛えるトレーニング
① 一点凝視トレーニング
20秒ほど一点を凝視し、残像を残すようにする。慣れてきたら、その残像に色をつけてみる。
② 白い紙に点を打つ空間認識トレーニング
白い紙の中央にペンで点(●)を打ってみる。何度か繰り返すうちに「経験知」が高まり、正しい位置に打てるようになる。
③ カタカナ文字の逆さ書き
自分の名前を「カタカナ文字の逆さ書き」してみる。

・既有知識から推論すると速く学べる
 推論することができれば、理解のスピードが上がる。すなわち、勉強には推論する力が必要である。
 視覚記憶を鍛えればイメージ力が身につき、イメージ力を使えば推論しやすくなる。だから、学習スピードがアップする。
 しかも、既有知識を持っていれば持っているほど、様々な仮説を立てることができる。

・丸暗記をするには、聴くといい
 公式や条文などを丸暗記する時は、「繰り返し聴いて覚える」のが効果的である。
 暗記したい内容を録音して聴いたり、音読を繰り返したりすることで「聴覚記憶」に働きかけることができる。

・効果的なアウトプットでインプットも加速する
 本を読みっぱなしにせず、必ず振り返る。
 思い出せないのは、覚えた知識を振り返る練習(ブリーフィング)をしていないからである。
 →思い出すクセをつける。
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ウグイスの鳴き声

2010-06-06 17:49:15 | 日記
今日は、宇治市の府民ふれあいの森に行って来た。
5年ぶりくらいでとても久しぶりに行ったが、今日あらためて感じたことがある。
それは、ウグイスの鳴き声である。
昔のウグイスは「ホーホケキョ」と鳴くのが一般的であったと思う。
しかし、最近のウグイスは「ホーホケキョケキョ」と少し長くなっている。
昔の短いバージョンで鳴く場合もあるが、感覚として全体の10%くらいである。
動物の世界にも流行があるのだろうか(笑)
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SONY TFM-4500

2010-06-06 10:34:13 | ラジオ・BCL
久しぶりに押入れを整理していたら、懐かしいラジオが出てきた。
40年位前に発売されたSONYのTFM-4500である。
トランシーバーのような形で、チューニング窓から見えるドラムが妙にカッコよかった。
当時の価格で7800円もしたから、かなり高価であったことは間違いない。
BCLブームとほぼ同時期で、当時はAM/FMの2バンドであることが非常に残念な思いであった。せめてSW(短波3.9~12MHz)1バンドだけでも付けて欲しかった。
当時SONYはBCL以外でも小型ラジオの種類が多かったが、TR-4400が短波が受信できるが、AMとSWのみでFMが受信不可であった。
TFM-4500とTR-4400を合体したようなラジオが当時は欲しかった(笑)
TFM-4500のデザインは今でも十分通用するカッコよさだと思う。持った時の重量感もすごい。
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念願のスキットル購入

2010-06-06 10:21:50 | 日記
ウィスキー好きな自分は、飲み会の時はいつもブラックニッカ180mlを尻ポケットに忍ばせ、店員に見つからないようにこっそりと口飲みをしている。やはり、瓶そのままではなく、スキットル(ウィスキーボトル)が欲しかった。
2週間前に念願のスキットルをやっと購入した。
その後、2回飲み会があり、持って行ったところ、飲み仲間には大うけした。
飲み仲間の内、二人は「自分も欲しい、同じものを代わりに購入して」と頼んできた(笑)
スキットルを尻ポケットから取り出して、ウィスキーをストレートで口飲みするのは、確かに男のロマンかな。自分の姿を勝手に想像して浸っている感じかな?自分に陶酔している(笑)
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寺澤芳男 英語オンチが国を亡ぼす

2010-06-06 09:59:02 | 勉強法
先日、会社の会議の時に取締役が、今後は英語くらい話せないと会社に残れないとかなりプレッシャーをかけてきた(笑)
そんな時に、古本屋でちょうどこの本を見付けたので買って読んだ。
確かに英語ができない自分は、勉強が必要かなと思ってしまった。
でも、するかどうかは別である(笑)



・英語は世界語になる
 ヨーロッパでもアジアでも、エリートはみな英語を話せるようになってしまっている。
 ベトナムのエリートはこれまではフランス語やロシア語を勉強していたが、今は英語を勉強している。なぜなら、ベトナムのエリートは、英語は世界語だ、世界語である英語ができないと、世界から取り残されてしまうという認識をしっかり持っている。

・言語が変わると人格も変わる
 著者も英語でしゃべる時と、日本語でしゃべる時とでは、話し方やしゃべる内容が変わる。日本語で受け答えをしている時には、頭の中は日本語的思考方法になっている。英語の時は、英語的思考法である。考える言葉が違うと、人格まで変わる。

・読むのも書くのも下手
 日本人は英語を話すのももちろん下手であるが、読む、書くという点でも上手とはいえない。
 明治の頃は、一握りの知識人たちは英語のテキストしか読むものがなかった。彼らは発音は決してよくはなかったが、読む力という点では今の日本人よりも上だったのではないか。

・英会話信仰の間違い
 どうも日本人は、きれいな発音で英語がペラペラと話せることに、非常にあこがれを抱いているように見える。これは英語に対するコンプレックスの産物なのかもしれない。
 英会話というのは決して特殊なジャンルではない。読んだり書いたりする英語をそのまま音にすれば会話になるのだから、書く英語を習った方が早い。
 日本人はきれいな発音に固執しすぎるが、英語といっても世界にはさまざまな英語がある。中には日本人が聞いたらまったく分からないようなひどい発音の英語もある。だがそれでも立派に通じる。要は、話している内容に中身があるか、伝えようという意志があるか、が大事なのだ。

・エデュケイテッドイングリッシュの最高の姿
 小さい頃海外に住んだ経験がなく、日本で生まれて日本で小学校、中学校、高校、大学と進んだ典型的な日本人が、英語を一生懸命勉強して、到達できる最高のレベルはどのようなものか?
読む力→「ニューヨークタイムズ」や「ウォールストリートジャーナル」といった英字紙を、ああなるほどと言いながら、英語だということをあまり意識せずに読めるレベル。わからない単語は一ページ当たり、4~5個程度という読み飛ばししても意味が通る範囲で文章がつかめるレベルに達することはできる。
書く力→たいていの文章ならほとんど書けるレベル。
聞く力→アナウンサーが標準語でしゃべった英語は、ジャンルを問わずだいたい聞き取れる。

・著者の英語勉強法① 英字新聞を読む
 読む、書くを中心とした勉強法である。
 英字新聞を読みこむ。毎日英字新聞を端から端まで読むというのは長続きしない。そんな時間も気力もない。そこで発想したのが、ある日の新聞を全部読める外国人がいたとしたら、その人はたぶん翌日も翌々日も読めるのではないか?つまり、一日分の「ジャパンタイムズ」を隅から隅まで全部読むことができれば、その翌日も読めるはずである。
 そこで、同じ日付の「ジャパンタイムズ」を2部買ってきて、スクラップブックの左側ページにマンガであろうが広告であろうがありとあらゆるものを貼った。そして、するラップブックの右側にそれを訳して書き入れた。更に小さな単語帳を作って、受験勉強の時のように、分からない単語を一つ一つ書き、それを覚えていった。

・著者の英語勉強法② 単語暗記法
 当時、「アメリカの市民権を取るための4000語」という本があった。アメリカの市民権を得るためには、その4000語を覚えないとパスしない。それをテキストにして、一日40語ずつ覚えていこうと決心した。これなら100日で4000語を無理なく覚えられると考えた。
 単語を覚える作業というのは、誰にとっても一番苦痛で、できれば飛ばしてしまいたい部分であるが、これは残念ながら飛ばすことが不可能な部分である。
 英語というのは単語がわからなければ話にならない。いくら会話や文法や発音を勉強しても、絶対に必要な4000語や5000語の単語を知らなければ、どうにもならない。反対に発音が多少悪くても、文法がわからなくても、単語を羅列してしまえば何とか意味が通じてしまう場合もある。

 著者の面白い方法
 AからZまで並んでいる4000の単語を40語ずつに区切って、日付を付けていった。
 すると、Zのところには100日目の日付が付き、とりあえず日付上はZまでいく。
 それまでは、単語を覚えようとAから始めても、A、B、Cくらいから始まる単語は完璧に覚えるが、Fくらいからだんだん嫌になって、その辺りからうやむやになってしまうのである。だから途中で止めないように、先ず日付を付けてしまう。
 それで一日目は40語覚えた。二日目は麻雀をして単語帳を見なかった。そのような場合は二日目分は飛ばして、三日目分を覚える。そうしていくと、幾日分は抜けてしまうが、100日目には必ずZまでたどりつく。
 曲りなりにもZまでいくと「よし、抜けたところをもう一度やるぞ」という気分になる。
 毎朝、その日覚えなくてはならない40語の中のわからない単語を大きな紙に筆で書き、それを部屋の壁に貼り付けて、その単語を大きな声で発音して頭にたたきこんだ。

・著者の英語勉強法③ 日常英作文
 意識して、普段の生活の中で使われている英語を覚えるようにした。
 朝起きてからの一日の行動をすべて英文で言えるようにしてみる。英語で日記をつけるようなものである。
更に電車の中などで聞こえてくる色々な会話、それもなるべく何でもない話、例えば「今朝自転車に乗って駅まで走っていたら、向こうからトラックが来た。急いで横道にそれて、うまくよけた。・・・・」のような、日常の中でよくあるような話を聞いた時は、なるべくメモを取って、それを英作文にしてみた。
 ほとんどの会話は自分の日常を体験である。だからこういった時に使われる単語や表現をしっかり覚えておいて、いつでも使えるようにしておくこと、書く力はもちろんのこと、会話の練習にもなる。そういう意味では、髪の毛から爪先まで、体の名称を覚えたことものちのち役に立った。

・「英語漬け」の期間が必要
 英語をマスターするには、ある程度の単語、読む力、書く力、といったベーシックなことをきちんとやって、後は実践あるのみである。
 もちろん言葉だから、マスターした後も、日々鍛錬しないとダメになる。
 大事なことは、英語をマスターしようと思ったら、一時、誰に何と言われようと「英語漬け」の生活を送ることである。ある一定の期間、日本語の世界から逃げ出して、英語の世界に浸りきる思い切りが必要である。
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