徒然なるままに ~ Mikako Husselのブログ

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ドイツ:2015年度難民入国者数訂正

2016年10月01日 | 社会

(c)dpa

しばらく難民問題についてブログで書くのは止めていましたが、昨日9月30日、ドイツ内相トーマス・ドメジエールが去年の難民として入国した人の数を公式発表したので、そのことについて少し書いておこうと思います。

2016年1月時点では、2015年の難民入国者は110万人とのことでしたが、この度それが下方修正され、89万人と公式発表されました。修正の理由は、難民が大量に(1日あたり数千人から1万3千人)入国し始めたころ、入国者登録が一部無記名・匿名で行われたり、移動の度に各自治体で登録し直され、多重登録があったのが、EASY-System(イージーシステム)という難民登録プログラムの画一化・統合化で解消されたことが挙げられています。

EASYは「Erstverteilung von Asylbegehrenden(庇護権請求者の初期配分)」の略です。

「行政と政治の責任者の多大かつ類まれな努力によって、そして何よりボランティアたちの素晴らしい応援によって私たちはこの挑戦に何とか対処することができた。しかしこの去年の秋の状況が繰り返されてはならないことは、私たちが皆了解している」とドメジエール内相。30

だからこそ、国際的な措置を取って、難民の数を減らすべきだという。

ドメジエール内相は、「今年度は、9月21日現在で、21万人の難民がドイツに入国し、登録された」ということも発表しました。平均1日200人の入国者だそうです。

メルケル首相は去年の9月にオーストリアと共に、ハンガリーに流れ着いた難民たちを受け入れたことについて、何か月も前から批判の矢面に立たされており、つい先日、「一時的にコントロール喪失していた」と間違いを認めました。それが繰り返されてはならないというのは彼女も同意するところです。CSU党首のホルスト・ゼーホーファーは、姉妹政党にもかかわらず、メルケル批判の急先鋒で、未だに憤懣やるかたないという感じで、年間の難民受け入れ数20万人の上限を求めて気勢を上げています。既に来年の連邦議会選挙のための選挙戦が始まっていると見て間違いありません。あわよくば急躍進中のドイツのための選択肢(AfD)の票をCSUに引き付けようとしているのがありありと伺われます。 

 

参照記事:

シュピーゲルオンライン、2016.09.30、「2015年に89万人の難民がドイツへ入国
ZDFホイテ、2016.09.30、「ドイツは2015年度の難民数を訂正


EU難民申請数統計(2015):ハンガリーが人口比最大

ドイツ:2015年度難民申請&認定数統計