徒然なるままに ~ Mikako Husselのブログ

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書評:石田リンネ著、『茉莉花官吏伝 4 良禽、茘枝を択んで棲む』(ビーズログ文庫)

2018年09月05日 | 書評ー小説:作者ア行

茉莉花官吏伝』4巻も面白かったです。ちょっと短すぎたような気もしますが。

赤奏国に借り出された白楼国の文官・茉莉花は、皇帝・暁月の無理難題に応えたことにより、“宰相候補の海成との結婚”という引き抜き計画に巻き込まれますが、白羽の矢を立てられた舒海成は茉莉花だけは嫌だと拒否!皇帝命令なので一応茉莉花を食事に誘ったりして形ばかりの努力をするところが可笑しいです。

また、そういう勧誘を見越していた白楼国皇帝側近の子星が、まっすぐで嘘の付けない皇帝側近の武官・天河に、茉莉花に近づく赤奏国の男を嘘の設定で牽制するように課題を出します。この場合、ウソがばれても「茉莉花さんを好きすぎる痛い男」ということにしかならないから、いい訓練になるとか、なんというか見も蓋もない感じでやっぱり笑えます。

茉莉花が戦いが避けられないところに来ていた内乱を別の作戦で戦なしで内乱を終結させるのは想定内でしたが、諦めずに頑張るところが健気でいいですね。

皇帝・柏陽がまたしても茉莉花の部屋を唐突に訪れて、茉莉花がお土産に持ってきた茘枝酒を一緒に飲むシーンが微笑ましい。二人は両想いなんだけどどちらもそれに気づいてなくて絶妙にすれ違っているところがwww

そして次回は州牧の不正と州牧補佐の自殺について御史台が調査に入るという州に新州牧補佐として乗り込んで、御史台の手柄を奪う(?)ことになるようです。

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