徒然なるままに ~ Mikako Husselのブログ

ドイツ情報、ヨーロッパ旅行記、書評、その他「心にうつりゆくよしなし事」

書評:デイビッド・セイン著、『ネイティブはこう使う!マンガでわかる時制・仮定法』(西東社)

2018年11月21日 | 書評ー言語

期間限定でなんと1冊199円になっていたので、思わずまとめ買いしてしまった『ネイティブはこう使う!』シリーズ。まずは私にとって一番もやもやしている時制・仮定法について書いた本『ネイティブはこう使う!マンガでわかる時制・仮定法』をざっと通し読みしてみました。使う状況が漫画化されていて、さらに似てる表現と対比させることでよりイメージが掴みやすく、理解が深まるように構成されています。覚えて使いこなせるかは別として(笑)

たとえば、「I forget your name」という現在形と「I've forgotten your name」という現在完了形の違い。前者には「(今は)うっかり忘れてしまっているが、後で思い出せる」というニュアンスがあるのに対して後者は「すっかり、完全に失念していた」という意味合いがあるとか、同じ未来形でも「will」には未来の行動を今思いついたようなニュアンスがあるのに対して「be going to」には既に予定されている行動を表すとか、「I think about doing something」と「I'm thinking about doing something」では後者の方が本気度が高いなど。

ネイティブがそばにいないため、なんとなくいい加減に英語を使ってますが、これで少しモヤモヤが解消された感じです。

時制の一致もドイツ語にはないので、私にとってはなかなか感覚がつかめない現象です。仮定法はほぼドイツ語と同じということが改めて確認できました。

英文法書を紐解けばきっと同じことが詳しく書いてあるのでしょうが(私も「スーパーレベルパーフェクト英文法」なんてのを持ってますけど)、分厚くてとっつきにくいのが難点。「マンガで~」のほうが手っ取り早くイメージが掴めるのがいいですね。

目次

Part 1 まずはいろいろ見てみよう!時制ピックアップ

Part 2 身につけたい!基本の時制

Part 3 使いこなしたい!上級の時制

Part 4 願望を伝える!仮定法

 


書評:恩田陸著、『隅の風景』(新潮文庫)

2018年11月21日 | 書評ー小説:作者ア行

このところずっと探偵小説ばかり読んでいたので、ちょっと気分を変えて、買ってから随分と長いこと放置していた恩田陸のエッセイを読んでみました。

『隅の風景』(2013)は紀行エッセイで、作者の趣味と独断が思いっきり炸裂していて面白いです。ビールがそんなに好きか?とかそんなに肉ばっかりよく食べられるな~、と突っ込みたくはなりますが(笑)

目次

ロンドンで絵を買う

チェコ万華鏡

ほどよい距離、ほどよい広さ 郡上八幡

不信心者の「お伊勢参り」

『冷血』と家光の墓 日光

雨の街、風の城 -台湾ブックフェア報告

仙人は飛び、観音菩薩は微笑む 韓国 雪獄山

スペイン奇想曲

阿蘇酒池肉林

熊本石橋の謎+馬刺し憧憬

曽我入鹿の玄昉の首塚 奈良

銀の箸の国で 韓国 ソウル

真昼の太陽を見上げる 北京、上海

付録・旅のブックガイド

ゲニウス=ロキ覚書

あとがきに代えて(2010)

文庫版あとがき(2013)

 エッセイを読んでいると、恩田氏は旅に出ると着実に小説のイメージを得ているのだということが分かります。観光地に行って何をどう感じるかというのは極めて個人的なものですけど、日本の観光は「点と点」を結ぶことしか考えておらず、途中の線がない、だからゆっくり思索しながら歩いて行こうとする人たちのための歩道や休憩所がないという指摘に続いて、「日本は国民が思索することを好まない」という結論を導き出すあたりはなるほどなと感じました。

「スペイン奇想曲」を読んで、今度は北スペインにも行こうと秘かに決意を固めました。

チェコの「ふしぎな庭」の本を読むクジラの話が面白かったです。ビールがたいそう美味しいらしいですが、私はそもそもお酒をほとんど飲まないので、プラハに行った時も一滴も試しませんでした。グーラッシュは散々食べましたけど(笑)

郡上八幡や阿蘇なども訪れてみたいとは思いますけど、ドイツに住んでるので、スペインに行くよりずっと難しそうです。


三月・理瀬シリーズ

書評:恩田陸著、『三月は深き紅の淵を』(講談社文庫)

書評:恩田陸著、『麦の海に沈む果実』(講談社文庫)

書評:恩田陸著、『朝日のようにさわやかに』(新潮文庫)

書評:恩田陸著、『黒と茶の幻想』上・下巻(講談社文庫)

書評:恩田陸著、『黄昏の百合の骨』(講談社文庫)

関根家シリーズ

書評:恩田陸著、『Puzzle』(祥伝社文庫)

書評:恩田陸著、『六番目の小夜子』(新潮文庫)

書評:恩田陸著、『図書室の海』(新潮文庫)

書評:恩田陸著、『象と耳鳴り』(祥伝社文庫)

神原恵弥シリーズ

書評:恩田陸著、『Maze』&『クレオパトラの夢』(双葉文庫)

書評:恩田陸著、『ブラック・ベルベット』(双葉社)

連作

書評:恩田陸著、常野物語3部作『光の帝国』、『蒲公英草紙』、『エンド・ゲーム』(集英社e文庫)

書評:恩田陸著、『夜の底は柔らかな幻』上下 & 『終りなき夜に生れつく』(文春e-book)

学園もの

書評:恩田陸著、『ネバーランド』(集英社文庫)

書評:恩田陸著、『夜のピクニック』(新潮文庫)~第26回吉川英治文学新人賞受賞作品

書評:恩田陸著、『雪月花黙示録』(角川文庫)

劇脚本風・演劇関連

書評:恩田陸著、『チョコレートコスモス』(角川文庫)

書評:恩田陸著、『中庭の出来事』(新潮文庫)~第20回山本周五郎賞受賞作品

書評:恩田陸著、『木曜組曲』(徳間文庫)

書評:恩田陸著、『EPITAPH東京』(朝日文庫)

短編集

書評:恩田陸著、『図書室の海』(新潮文庫)

書評:恩田陸著、『朝日のようにさわやかに』(新潮文庫)

書評:恩田陸著、『私と踊って』(新潮文庫)

その他の小説

書評:恩田陸著、『蜜蜂と遠雷』(幻冬舎単行本)~第156回直木賞受賞作品

書評:恩田陸著、『錆びた太陽』(朝日新聞出版)

書評:恩田陸著、『まひるの月を追いかけて』(文春文庫)

書評:恩田陸著、『ドミノ』(角川文庫)

書評:恩田陸著、『上と外』上・下巻(幻冬舎文庫)

書評:恩田陸著、『きのうの世界』上・下巻(講談社文庫)

書評:恩田陸著、『ネクロポリス』上・下巻(朝日文庫)

書評:恩田陸著、『劫尽童女』(光文社文庫)

書評:恩田陸著、『私の家では何も起こらない』(角川文庫)

書評:恩田陸著、『ユージニア』(角川文庫)

書評:恩田陸著、『不安な童話』(祥伝社文庫)

書評:恩田陸著、『ライオンハート』(新潮文庫)

書評:恩田陸著、『蛇行する川のほとり』(集英社文庫)

書評:恩田陸著、『ネジの回転 FEBRUARY MOMENT』上・下(集英社文庫)

書評:恩田陸著、『ブラザー・サン シスター・ムーン』(河出書房新社)

書評:恩田陸著、『球形の季節』(新潮文庫)

書評:恩田陸著、『夏の名残りの薔薇』(文春文庫)

書評:恩田陸著、『月の裏側』(幻冬舎文庫)

書評:恩田陸著、『夢違』(角川文庫)

書評:恩田陸著、『七月に流れる花』(講談社タイガ)

書評:恩田陸著、『八月は冷たい城』(講談社タイガ)

エッセイ

書評:恩田陸著、『酩酊混乱紀行 『恐怖の報酬』日記』(講談社文庫)

書評:恩田陸著、『小説以外』(新潮文庫)

書評:恩田陸著、『隅の風景』(新潮文庫)