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『茉莉花官吏伝』はやはり新シリーズでしたね。2が出ていたのを見かけたので注文し、今日届いたので、早速読んでしまいました。
茉莉花は科挙試験を二番の好成績で合格し新米官吏となったわけですが、上元合格ではないため、皇帝・珀陽から「禁色」を与えることが叶わず、「早く手柄を立ててね」と無理なことを言われて、この第2弾はスタートします。赤奏国の皇帝・暁月が突如来訪し、わがまま放題で世話役についていた武官を解任。その後継として兵部の女性官吏・玉霞が世話役の責任者に任命され、茉莉花はその補佐を務めることになります。
優秀な成績で新米官吏となった茉莉花には様々な養子縁組の申し出があり、皇帝・珀陽からも平民出身である彼女の後ろ盾となるための養子縁組の提案があったのですが、最終的に彼女はどの養子縁組も断り、本気を出して手柄を立て、自ら「禁色」を取れるようにすると決意するところでこの巻は終わります。いよいよ彼女の立身出世が本格的にスタートした感じです。
それと茉莉花は官吏と結婚が両立することを自ら証明するために結婚を決意します。それを聞いた伯陽は「だったら、私と結婚しようよ」とさらっとプロポーズ!自分は10年くらいで退位するから、その後は独り身で、茉莉花のところに婿入りしても問題ないという。茉莉花はそれを冗談と解して、「なら、陛下が退位するとき、わたしが結婚していなかったら、陛下と結婚しますね」。あらまあ、未来の約束しちゃったよ、この二人(笑)
その後に、次の赴任先の話になり、手柄を立ててもらうために荒れた地へ茉莉花を派遣すると宣言。次巻は、茉莉花の地方での活躍の話になるようです。
面白いなと思ったのが、この巻で、茉莉花が前回皇帝を守るために正しいと思ってしたことの本当の意味を知り、その影響に愕然とするところです。今回のストーリー展開に必要だったのは分かりますが、2巻目でこういう展開のストーリーを持ってくるのも珍しいような気もします。こういう重い「気づき」は、何年か経ってからするのが「定石」のような気がするのですが。
とにかく1巻は少々「上滑り」しているような感じがしないでもなかったのですが、2巻はぐっと面白くなっており、次巻が楽しみですね。