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佐伯一麦「空にみずうみ」

2020年04月09日 | さ行の作家
中公文庫
2018年7月 初版発行
解説・小山田浩子
498頁

「あの日」から4年
青葉木菟の啼き声や合歓の香り、月の満ち欠け
移りゆく自然とめぐり来る季節が、さりげなく前を向かせてくれる
東北地方に住む作家の早瀬と染色家の柚子、夫婦のある一年を描きます

全編、互いを、お互いの仕事を、自身を、自身の仕事を、そして知人を思いやる気持ちが貫かれています
震災に関しての直截な表現はありませんが、4年の歳月が経ったことが分ります
作中の人々と同じように読者も各々の思いを心に浮かべることでしょう

早瀬の身辺雑記をまとめたような小説の中に、キラリ輝く言葉がいくつも出てきます
読後は、人に優しくありたい、そんな思いに満たされました


コロナ禍の真っただ中
何となく心がざわついて読書に集中できません
さらに坐骨神経痛の影響で自宅の椅子は油断すると腰から膝に痛みが出て色々姿勢を変えてみたりして落ち着いて読めません
読めるのは整形外科のリハビリの待ち時間の間くらいです
整形外科の椅子でさほど痛みが出ないのは考えられたデザインだからかしら
ネットで探してみましょう

愛知県に緊急事態宣言は出ませんでしたが、いつどうなるかは分かりません
冷静に落ち着いて日常生活を送りたいものです



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